2001 Fiscal Year Annual Research Report
建物の耐震安全余裕度と地域の地震被害許容値を考慮した地震荷重に関する研究
Project/Area Number |
12650580
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
松村 和雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (50038014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中原 浩之 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60315398)
|
Keywords | 地震災害 / 地震被害 / 死者数 / 建物全壊数 / 新聞調査 / 社会の衝撃度 / 災害の如限度 |
Research Abstract |
昨年度に引き続いて、地震災害が社会に及ぼす影響が新聞の紙面に表れていると考えて、1946年以降の死者が発生した地震について・全国紙の朝刊と夕刊の全紙面における地震後2週間の地震関係の記事の量と内容について、より詳細に調査し、その分析を行った。 地震被害の社会への影響度を計るために、これまでと同様に、新聞の広告を除いた全報道量に対する地震関連の報道量の比率により求めた地震報道率を指標として、地震の被害と地震報道率の関係を調べた。年代による全紙面数の違いを補正するなど、幾つかの修正を行って検討したが、被害地震の数が少ないこと、特にこれまでの結果で社会的な如限度と考えられる、死者数が10人から100人程度の地震の数が少ないため、明確な如限度の設定は難しいが、分析の結果では死者数が20人から50人、建物全壊数で200棟から1000棟を如限度とみなすことができる。 今年度は、社会的な如限度を設定したとき、大都市の建物全壊率をその範囲に収めるには、どの程度建物の強度を割り増しする必要があるかを、幾つかの解析を行って調べた。地震ハザードは地体構造区分に基づいた、500年再現期待値を用いた。建物は木造とRC造の住宅を想定し、地震被災度関数による耐力分布を設定して解析した。都市のモデルとしては、全国の全都市を対象として、2000年度国勢調査で得られている人口や建物数を用いた。また、代表的な都市として、ハザードの異なる5地区と、都市の規模で異なる7地区について解析し、一般的な特性を明らかにした。 木造の建物全壊数を600棟と設定した場合、同じハザードの都市では、8倍建物数が違っても1・6倍程度、16倍建物数が違っても1.8倍程度、建物強度の割り増し係数(地震都市係数とよぶ)を大きくすれば、同程度の被害に収まることが分かった。 また、地震都市係数は地震ハザードの違いよりも住宅数の違いとの相関が高いことが分かった。
|
Research Products
(2 results)