2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650600
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Research Institution | Hokkaido Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 憲三 北海道工業大学, 工学部, 教授 (70002235)
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Keywords | セントラルヒーティング / 腐食 / 溶存酸素 / 異種金属接合 / 防錆剤 / フラックス残渣 / フラッシング / 銅管 |
Research Abstract |
温水セントラルヒーティングの施工業者を対象に施工方法と腐食事故に関するアンケートを行った。その結果、密閉式配管が7割以上と増えているにもかかわらず、ボイラーと放熱器の腐食がもっとも多く、10回以上漏水を経験している業者が3割以上いることが判った。腐食に強い銅管が使用されるようになった結果、鋼板製のボイラーとパネルヒータに腐食が集中している実態が伺われる。腐食の最大要因である溶存酸素に係わる循環水注入後のエア抜き状況は、クレームがこない限り行わないという業者が5割、年1回というのが2割であった。防錆剤入りの不凍液を使用は6割と高く、1〜3年毎に濃度管理を行っているのは9割であった。半密閉型配管の続きで防錆剤に頼った防食対策が行われている。施工時の金属屑やフラックス残渣は腐食の原因となる。しかし竣工時の洗浄は7割しか実施しておらず、それも水道水を一度注入して取り替えているだけである。温水でポンプを動かしながら数回実施する必要がある。 事故の現場調査を行ったところ、補給水が自動になっていて漏水の発見が遅れ、溶存酸素が増加し腐食被害を大きくしている例が多かった。密閉式配管では補給水と縁を切り、圧力計などで漏水を早期に発見するシステムを開発し普及させる必要があることが判った。また、密閉型のキャンドポンプの利用は少なく、過大揚程・過大流速の傾向が見られた。ポンプ運転時に配管系が「負圧」なりエアの吸い込みを起こさないように膨張タンク・循環ポンプの位置関係や膨張タンクの必要最小圧力の設定などについて認識が薄く、今後十分教育する必要がある。
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