2000 Fiscal Year Annual Research Report
環境条件によって重み付けされた距離に基づく迷惑施設の最適配置問題に関する研究
Project/Area Number |
12650610
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
及川 清昭 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (00168840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
曲渕 英邦 東京大学, 生産技術研究科, 助教授 (60219293)
藤井 明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20126155)
大野 秀敏 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (10160582)
槻橋 修 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50322037)
郷田 桃代 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (50242128)
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Keywords | 迷惑施設 / 施設配置 / ウェーバー問題 / NIMBY / マクシミン問題 / 公平性 / 最適配置 / 重み付け距離 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ゴミ処理場や下水処理施設などのように、一般に周辺住民から好まれない施設(迷惑施設)を対象として、施設と住民の距離のみならず、自然・社会環境に基づく距離に対しても重み付けをした配置問題の新たな解法を考案することである。 本年度は、まず、施設の必要性は認めるが自分の身の回りには設置してほしくないという、いわゆるNIMBY(Not In My Backyard)と呼ばれる迷惑施設に関する情報を文献・新聞などの資料から抽出し、用途・規模・問題点等の基本的なデータを整理した。次に、迷惑施設の配置問題を定式化するために、施設と住民の距離と忌避される度合いを表現する関数型をいくつか設定し、施設立地に影響を与える地形・気象条件などの非等方的な距離や歴史的・生態的な保全地域からの距離などに対しての重み付けの方法について考究した。目的関数に関しては、居住地や保全地域から迷惑施設までの重み付けされた距離の総和を最大にする関数(迷惑の総量を地域全体として最小化するWeber問題)と、施設に最も近い住民からの距離を最大にする関数(最大の被害者を救済するMAXMIN問題)、そして、周辺住民からの距離の平均値とその差の総和を最小にする関数(蒙る迷惑の量を公平にする問題)の、3種類を取り上げた。それぞれの配置問題の基本的な性質を把握するために、線分上あるいは平面上における簡単な施設配置モデルを対象として、目的関数と制約条件を変えながら、あるいは、隣接する区域で施設を統合した場合や、迷惑施設と快適施設を併設した場合などについて、最適化のシミュレーションを行った。その際、適性度を等値線として表現することに主眼を置き、候補地選定のための有効な表現方法となるように工夫を施した。また、パソコン上でも短時間に解けるようにアルゴリズムの効率化を図った。
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