2001 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者にも認知可能な火災報知アラームについての研究
Project/Area Number |
12650627
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Research Institution | Tokyo University of Science, Center for Fire Science and Technology |
Principal Investigator |
須川 修身 東京理科大学, 総合研究所火災科学研究部門, 助教授 (60162856)
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Keywords | 火災報知 / 高齢者 / 音声 / アラーム / 予報 / 警報 |
Research Abstract |
消防設備安全センターの「音声警報のあり方連絡会」が既に警報用シグナルの作成条件として下記の6条件を提示しており、これに基づいて女声による予報、男声による警報音が作成され、実際に一部の高齢者施設では火災を報知する音声として使用されている。 【警報用シグナルの作成条件】 (1)注意喚起を引く感じであること。 (2)音のとおりが良いこと。 (3)適度に緊張する感じであること。 (4)あまり不安な音としてせき立てないこと。 (5)耳障りな音でないこと。 (6)ありふれた音でないこと。 これらの条件を考慮し、これに高齢在館者に非難の呼びかけを行う「音」を組み合わせて音-音を聞かせて、その認識の良否を直接面談によって5段階方式で評価した。また、呼びかけの「音」についても30種類の中から予備的な評価で選別し、火災など異常状態を報知するにふさわしいものを選び、上記の音声との組み合わせを行った。多くの施設ではナースの音声は女声であるため、異常事態になっても親しみのもてる、耳に馴染んだ女声で呼びかけを行ってもらいたいという評価があると同時に、異常時であるとの重大さを認知するには普段とは異なる男声が望ましいとの評価も同様にあり、いずれも報知内容が明確で火災場所がイメージしやすい伝え方で伝達する事が肝要である。異常時を知らせる音質としては、火災のイメージと結びつきやすいサイレンなどの認知が高いが、これは今まで受けた訓練や日常的・経験的な「すり込み」に依るためである。火災を知らせる音(あるいは音声)は、すり込みになっている事が決定的要因である。このため「音(報知音)」を小中学の頃から消防訓練とともに聞かせ、強固な「すり込み」を行って高齢化した場合においてもこれが生かせるようにしておく必要があることが判った。
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Research Products
(1 results)