2000 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアと東南アジアのアール・デコの建築に関する研究
Project/Area Number |
12650641
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
吉田 鋼市 横浜国立大学, 工学部, 教授 (60111704)
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Keywords | アール・デコ / 近代建築 / 東アジア / 東南アジア |
Research Abstract |
1.平成12年度は、中国の東北地方の5都市ハルピン・瀋陽・長春・大連・青島と香港・マカオ・シンガポール・クアラルンプールの計9都市を調査してまわった。平成11年夏に、本研究の事前調査として北京・天津・上海をまわっているので、結局いまのところ東アジアと東南アジアの12都市を調査したことになる。現在、これらの調査で得られたデークを鋭意整理中である。 2.上海・天津はフランスの祖界地のあったところで、アール・デコの建築の現存例が多いことが予想され、実際その通りでもあったが、数の多少はあれ、調査した12都市のどの都市にもアール・デコの建築は相当数見られた。 3.それらのアール・デコの建築の設計者にはフランス人はほとんど見られず、イギリス人・中国人・日本人の建築家もまた多くのアール・デコの建築を設計していることがわかった。あるいは、むしろ建築家の名の判明していない名もなき普通の建物にアール・デコのスタイルの影響が広範に見られた。これは、アール・デコが時代の産物であり、国・地域を問わず、広く普及していたことをよく示している。 4.平成13年度には、ヴェトナム・カンボジア・タイの主だった都市のアール・デコ建築の調査を予定しており、それらの調査が終わった段階での研究発表を考えているので、現在のところ、まだ成果の発表はしていない。
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