2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650643
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
福島 駿介 琉球大学, 工学部, 教授 (10128499)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仲地 哲夫 沖縄国際大学, 文学部, 教授 (70172343)
田上 健一 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 助手 (50284956)
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Keywords | 首里城 / 城下町 / 復元 / 古絵図 / 士族屋敷 |
Research Abstract |
琉球王朝の中心的領域であった首里は、首里城を核として士族屋屋敷、社寺、民家、商業施設が集積したいわゆる城下町を形成していた。一方首里に対して商業的性格の強い那覇は経済的な性格を有し、活発な庶民の商業活動や都市的生活を反映した空間であった。それ故首里城城下町の復元はこの二つの領域を視野に入れて進める必要があった。 前年度は首里、那覇領域の関連性及び空間領域構成について明らかにするため、各種古地図、絵図を収集分析し一定の成果を得た。 今年度は首里城城下町の構成をさらに詳細に明らかにするため、関連する古地図、絵図の収集を継続し、古地図データを検索システム上に整理することができた。次に収集した古地図データは時代、目的、作成者の意図などによって表現、表示項目、内容に相違があるが、地図相互の各種要素(道路、各種施設、住居、表現規模等)の比較によって、首里、那覇地区の空間構成の特徴を明らかにした。首里城城下町の復元において史料の不連続性及び琉球王府の官職が中国科挙の制度を受けながらも任官後の成果によって地位が保証されないなどの社会制度にあって、城下町の構成を追跡する困難さがある。そこで空間構成の主要要素としての士族屋敷に注目し、リストアップした約260件の士族屋敷に対する予備調査を行い、現存及び関連者の存在が確認された24件の士族屋敷に対する関連文献調査、聞き取り調査を行い、屋敷平面などこれまでの琉球伝統庶民住宅と異なる屋敷構成及び士族屋敷の移動関係の姿を明らかにした。さらに近年返還された米軍により撮影された戦災直前の空中写真資料により近代の沖縄における那覇、首里の町並みについて地区ごとの屋根形態構成の相違を分析し、那覇首里の空間構成を明らかにするとともに、次年度の具体的な城下町復元に向けての基礎資料を得ることができた。
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Research Products
(1 results)