2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650645
|
Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
小山 祐司 東北工業大学, 工学部・工業意匠学科, 講師 (90215434)
|
Keywords | 仙台藩 / 建築生産組織 / 御大工家文書 / お抱え建築工匠 / 御大工 |
Research Abstract |
1.千田家文書について 作事関係文書を中心に解読・分析を進めた。また、千田家文書以外の棟札等の造営資料も併せ藩営建築生産活動の分析を行った。 仙台藩における藩営の建築生産活動は、江戸前期以降は、メンテナンスが中心と考えられ、そのメンテナンスの対象となる建設物は「定御修覆所」、「別牒付御修覆所」、「在々御修覆所」の3つに大別されていたこと。次に、「定御修覆所」の担当部局は御作事方でお抱え建築工匠を中心に動員し、「別牒付御修覆所」、「在々御修覆所」の担当部局は御郡方で、在方の建築工匠を中心に動員したこと。以上を報告した。(「仙台藩々営作事における工匠動員形態について-御修覆制を中心として-」) 2.御大工の組織形態について お抱え建築工匠の員数規模を中心に分析を行った。 仙台藩において、藩政前期から末期まで、お抱え建築工匠の員数のスケールがほぼ一定であること。このうち、お抱え大工すなわち御大工は250人程で、その他に、御畳刺などの建築工匠が200人程であったこと。対照的に、仙台城下における町方の建築工匠が90人程と少ないこと。以上を報告した。(「仙台藩におけるお抱え建築工匠について-御作事方職人を中心にして-」) 3.その他 建築生産組織及び、技術書に関する資料の探索及び採録を一部行った。 江戸幕府に関しては、木子文庫、東京誌料(東京都中央図書館)について作業を進めている。米沢藩、会津藩については、上杉家文書、旧簗田家文書などについて作業をすすめている。仙台藩については、御作事方文書(散佚しているが一部宮城教育大学付属図書館所蔵)などについて作業を進めている。
|
Research Products
(2 results)