2000 Fiscal Year Annual Research Report
特異な安定性を示す遷移金属酸化物クラスターの光イオン化による電子状態の解析
Project/Area Number |
12650652
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
櫻井 雅樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80235225)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
孫 強 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60292265)
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Keywords | マジックナンバークラスター / 酸化物クラスター / レーザー蒸発 / 飛行時間型質量分析 / 第一原理計算 |
Research Abstract |
平成12年度はレーザー蒸発型クラスター堆積装置を用い、これまで研究がほとんど進んでいなかった酸化物クラスター系で、新たにいくつかの安定酸化物クラスター(マジック・ナンバー・クラスター)の存在を明らかにした。特にMo酸化物系ではMo_<14>O_<42>が極めて生成量が多く、さらにMo_7O_<21>とMo_9O_<27>も安定クラスターとして観測された。また、同族元素であるWでも同様の安定クラスターが観測されていることから、バルクでの安定化合物であるMoO_3もしくはWO_3と関連し、構造のみならず電子状態が関係したマジック・ナンバー・クラスターであると推測される。現在これらマジック・ナンバー・クラスターについて、第1原理に基づく安定構造と電子状態の理論計算を進めている。これら酸化物マジック・ナンバー・クラスターの観測が可能になったのは、クラスター源の改良を行い、質量数が数千(amu)までのクラスターを大量に安定して作成できるようになった結果である。さらに、現在金属クラスターとそれらの酸化物クラスターについて光励起法により電子状態の実験的観測を試み、安定クラスターの起源についてより詳細に研究を行っている。Fe、Co、Ni系の酸化物クラスターでは、M_9O_6、M_<13>O_<14>、M_<43>O_<20>がマジック・ナンバー・クラスターであること、一方で多くの遷移金属クラスターについては正20面体構造に起因すると考えられる7、13そして19の原子を含むマジック・ナンバー・クラスターを実験的に見いだしてきた。これらの結果は、酸化物クラスターでは必ずしも構造だけではなく電子状態すなわち金属原子と酸素原子との結合に支配される要因があることを示している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Qiang Sun: "Geomety and electronic structures of magic transitionmetal oxide clusters"Phys.Rev.B. 62. 8500 (2000)
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[Publications] 櫻井雅樹: "遷移金属酸化物自由クラスターのマジックナンバーと電子状態"超微粒子とクラスター懇談会 第4会研究会講演論文集. 91 (2000)