特異な安定性を示す遷移金属酸化物クラスターの光イオン化による電子状態の解析

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 12650652
• Research Institution: Tohoku University
• Principal Investigator: 桜井 雅樹 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80235225)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 孫 強 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (60292265)
• Keywords: マジック・ナンバー・クラスター / 酸化物クラスター / 飛行時間型質量分析 / レーザー蒸発 / 第1原理計算 / 構造

Research Abstract

平成13年度:平成12年度に引き続き、レーザー蒸発型クラスター堆積装置た遷移金属系酸化物クラスター作製を行い、安定酸化物クラスター(マジック・ナンバー・クラスター)についての研究を進めた。観測されたマジック・ナンバー・クラスターについて、第1原理に基づく安定構造と電子状態の理論計算を進めている。遷移金属クラスターについては本研究以前に正20面体構造に起因すると考えられる7、13そして19個の原子を含むマジック・ナンバー・クラスターについて実験的観測を行い報告しており、金属クラスターとそれらの酸化物クラスターについて光励起法により電子状態の実験的観測を試み、第1原理計算によるマジック・ナンバー・クラスターの安定構造と電子状態の理論計算と合わせて、安定クラスターの起源についてより詳細に研究を行った。これらの結果は、酸化物クラスターでは必ずしも幾何学的構造安定性だけではなく、電子状態すなわち金属原子と酸素原子との結合に支配される要因があることを示している。また、遷移金属酸化物マジックナンバークラスターの磁性については、第1原理計算から求めた電子状態から、FeならびにCoでは金属原子同士の強磁性結合と酸素原子でのスピンの反強磁性的配向が見られた。Niではクラスターサイズに依存し、強磁性から反強磁性配向への変化がM_9O0_6からM_<13>0_8で起こっていることが分かった。このような電子状態の理論計算値と実験結果との対比を現在進めている。

Research Products

• [Publications] Masaki Sakurai: "Magic number clusters in Transition Metal oxide clusters"Proc.Int Symp.on Clulster Asembled Mater.,IPAP Conf.Series(ed.K Sumiyama,Nagoya,Japan 2001). 158-161 (2001)
• [Publications] Hihara Takehiko: "Fabrication of nano cluster assemblies and characterization in an UHV integrated apparatus"Proc.Int Symp.on Cluster Assembled Mater.,IPAP Conf.Series(ed.K Sumiyama,Nagoya,Japan 2001). 12-17 (2001)
• [Publications] Qian Wang: "Capacitance of magic Ba-n clusters"Script.Mater. 44. 1959-1962 (2001)
• [Publications] Qiang Sun: "Magnetic Properties of Magic Ni Oxide Clusters"超微粒子とクラスター懇談会第5回研究会論文集. 51-53 (2001)