2000 Fiscal Year Annual Research Report
チタン窒化物基ナノコンポジット磁性薄膜の作製と評価
Project/Area Number |
12650656
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
橋本 満 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (20017388)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 日佐司 電気通信大学, 電気通信学部, 講師 (70237204)
史 蹟 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (70293123)
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Keywords | 反応性スパッター / Co-TiN薄膜 / ナノコンポシット薄膜 |
Research Abstract |
本年度はCo-Ti-N薄膜の作製および構造解析を中心にして研究を進めた。 まずCo-Ti-N薄膜を反応スパッタ法によって作製した。ターゲットにはCo-Ti合金を用い、反応性ガスには窒素ガスを用いた。主に以下の結果が得られた: 1)基板温度300℃以下で作製したCo-Ti-N薄膜は基板の種類、基板温度(常温〜300℃)、窒素の分圧によらずアモルファスであることがわかった。基板にはMgO(単結晶)、シリコン(単結晶)、石英がラス(アモルファス)を使用した。またいくつかの窒素分圧について調べた。 2)常温で作製したCo-Ti-N薄膜を真空中700℃で熱処理を行うと結晶化が進み、窒素分圧によって三種類の構造が得られた。窒素分圧小さいときCoとTiの分離ができず、膜の中に一つの体心立方の相が形成された。この相は現有のASTMカードで同定できずCo-Ti-N三元化合物と考えられる。窒素分圧をある量まで増やすとチタン窒化物が形成されると共にCoが分離してきた。薄膜の構造はチタン窒化物と六方晶のCoとの複合体であった。さらに窒素の分圧を増やすと立方晶のCoが安定化され、薄膜構造はチタン窒化物と立方晶のCoとの複合体になった。 3)薄膜の表面にはチタンリッチで、チタン窒化物(酸化物)表面層が生成された。また真空中の熱処理により膜表面がスムージングされる効果もみられた。 さらに詳細な構造解析および電気・磁気特性の分析は現在進行中である。
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