2000 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスコピック組織制御による光熱電エネルギー変換システム膜の高性能化
Project/Area Number |
12650658
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
石黒 孝 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (10183162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱崎 勝義 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (40143820)
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Keywords | 太陽光吸収膜 / 傾斜機能膜 / 熱電材料 / メゾスコピック構造 / ゼーベック係数 / エネルギー変換膜 / 超薄膜 / 赤外線 |
Research Abstract |
本研究では太陽光電気エネルギー変換システム膜の創製・高性能化を目指している.統合すべき機能は、▽光熱変換機能、▽熱電気変換機能、▽赤外線放射機能である. そこで本年度は先ず、熱電材料CoSb_3の欠陥高密度分散膜を作製した。CoSb_3-Sb系が二相分離系である事に注目し、SbターゲットにCoセクターを配置した複合ターゲットによりSb富組成膜を成膜し、真空熱処理により余剰Sbを昇華させてナノボイド組織膜を実現し、電気抵抗率、熱起電力を測定し関連を調査した.その結果、成膜直後の非晶質膜の結晶化温度及びSbの昇華温度そして対応する膜構造と熱起電力の知見を得た。 続いて、MgO/Ag/MgO積層膜構造においてAgの膜厚を変化させて成膜し、光学的測定を行い、複素屈折率の波長依存性を求めた。膜厚増加とともに超微粒子、超薄膜、連続バルク膜と変化し、対応する光吸収において超薄膜で可視から近赤外領域で大きな吸収率を示すことを見出した。これらの基礎データを基に熱安定性も加味した上で傾斜屈折率膜に波長選択性を持たせた膜を設計・作製し、太陽光吸収率0.80、低放射率約0.09、そして太陽光熱変換効率0.71を実現した。 さらに熱電材料の特性評価に必須の基本的物理量である熱伝導率を薄膜形態の試料に対して測定するために、本科研費にて赤外線カメラを購入し、これを既存の真空装置に装着し、クセノンランプの光変調による温度画像解析装置を製作し解析法について検討した。試料加熱における温度変化は単一の正弦波成分のみならず高調波成分も含んでおり、一回の測定で多数のフーリエ成分についても評価可能であり、これは従来のacカロリメトリ法にはない特長であることが明らかとなった。
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