2002 Fiscal Year Annual Research Report
圧電体粒子を分散した機能性バイオセラミックスの開発
Project/Area Number |
12650680
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
野間 竜男 東京農工大学, 留学生センター, 教授 (20180771)
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Keywords | 水酸アパタイト / チタン酸バリウム / 圧電体 / バイオセラミックス / コンポジツト / 粒子分散 / 電気信号 / 応力印加 |
Research Abstract |
本研究ではコラーゲンの10倍〜100倍の圧電定数を持つ無機粒子を分散した複合水酸アパタイトセラミックスを合成し、応力が加わったときに微小な電流を生ずる機能性バイオセラミックスの開発を検討した。この1年間の研究実績をまとめると以下のようになる。 1)擬似体液中にコンポジットを浸漬し、その周囲に生成したアパタイト相(人工骨に近似的に相当)の状態観察から生体活性を間接的に評価した。セラミックスを擬似体液に浸漬すると、約1週間後からセラミックス表面に炭酸イオンを多く含有したアパタイト層が形成される。またコンポジット化に用いる粒子は、それ自身生体不活性なものであっても、擬似体液に浸漬させることによって表面にアパタイトが形成される。このようにコンポジットセラミックスは単相の水酸アパタイトセラミックスに及ばないものの、十分な親和性を保持していることがわかった。 2)チタン酸バリウムと水酸アパタイト2相の界面に着目し、2相の層状構造からなるセラミックスを作製し、その微構造を詳細に透過型電子顕微鏡等で観察した。2相間の反応性に及ぼす化学量論性について固体化学的な観点から引き続き検討している。 3)擬似体液中でダイヤモンド圧子押し込みに法により応力印加をした際に発生する電気信号の解析を行い、神経回路接続を仮定したときの電気信号の減衰挙動を検討した。このうち神経回路接続に関する研究は引き続いておこなっている。 4)成果をまとめ、原著論文として投稿した。
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