2001 Fiscal Year Annual Research Report
メゾスケールの流体モデルを用いた粒子懸濁高分子液体の流動解析
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12650683
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
千葉 訓司 滋賀大学, 教育学部, 教授 (60144440)
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Keywords | 繊維懸濁高分子溶液 / 繊維の3次元配向 / 平行平板流路内流れ / flip-over現象 / 繊維間の相互干渉 / ブラウン運動学シミュレーション / FENEダンベルモデル |
Research Abstract |
(1)平行平板流路内における繊維懸濁高分子液体の流れの数値解析 繊維の三次元配向分布を考慮した繊維懸濁ニュートン液体の平行平板流路内の流れに関して数値解析を行った.従来は,繊維のアスペクト比(長さと直径の比)が非常に大きい場合を取扱っていたが,本年度は,アスペクト比が小さい繊維の懸濁液の流れを計算し,流れ場,応力場および繊維の配向状態を調べた.その結果,アスペクト比が小さい場合には,繊維が頻繁にflip-over現象を起こすため,局所的に応力状態が急激に変化する領域が現れることが明らかになった.実際には,繊維同士の相互干渉のためにアスペクト比が小さい繊維であっても,自由に回転することが難しく,flip-over現象はほとんど見られないと考えられる.従って,相互干渉を考慮した繊維懸濁液の流れの数値解析が必要である. なお,最も簡単な流路内の流れである平行平板流路内における繊維懸濁高分子溶液の発達している流れの数値解析を試みたが,繊維の配列に影響を及ぼす,繊維と高分子の相互作用のメカニズムについては十分な結果を得ることができなかった. (2)海外の研究者との意見交換ならびに国際会議での成果の発表と資料収集 7月にバンクーバーで開催される第3回環太平洋レオロジー会議で「平行平板流路内における繊維懸濁液の流れ」について発表を行うとともに,研究計画について会議に参加している研究者と意見交換を行った.更に,モントリオール大学エコール・ポリテクニックを訪問して,平成12年度に行った研究結果について討論を行うとともに平成13年度以降の研究計画について意見交換・資料収集を行った.特に,繊維間の相互干渉の理論的取扱いについてにGrmela博士と詳細な検討と行い,方向性は見出した.しかし,現時点では相互干渉を考慮した懸濁液の流れの計算は上手く行っていない.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 竹村, 千葉, 中村: "ニュートン流体の流れ中におけるフレキシブル繊維の運動(第1報)基礎式の離散化と数値計算の手順および単純せん断流れ中における数値計算結果"繊維機械学会論文集. 第54巻6号. T91-T102 (2001)
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[Publications] K.Chiba, K.Yasuda, K.Nakamura: "Numerical solution of fiber suspension flow through a parallel plate channel by coupling flow field with fiber orientation distribution"J.Non-Newtonian Fluid Mech.. Vol.99,No.2/3. 145-157 (2001)
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[Publications] M.Takemura, K.Chiba, K.Nakamura: "Motion of Flexible Fibers in a Newtonian Flow Part 2:Evolution of the Configuration of a Single Fiber in a Simple Shear Flow"J.Textile Engineering. Vol.47,No.3/4. 77-91 (2001)