2000 Fiscal Year Annual Research Report
チューナブル電磁波素子のための酸化物誘電体/超伝導体/磁性体・積層構造の作製
Project/Area Number |
12650685
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
本津 茂樹 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (40157102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 順也 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80088351)
西川 博昭 近畿大学, 生物理工学部, 助手 (50309267)
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Keywords | 超伝導フィルタ / チューナブル素子 / ペロブスカイト型酸化物 / 移動体通信 / 表面抵抗 |
Research Abstract |
移動体通信の基地局用フィルタとして、低損失でシャープなスカート特性を持つ超伝導フィルタが注目されている。一般に超伝導フィルタは回路シミュレータや電磁界シミュレータにより設計されるが、基板の厚さや誘電率のバラツキ、素子作製時の加工精度等により設計値とズレ、このズレを補正するためにチューナブルフィルタが必要となる。本研究では、外部から電界と磁界を印加することにより、素子特性の微調を行う電界・磁界制御型チューナブル素子を提案した。この素子を実現するためには酸化物強誘電体/強磁性体/超伝導体積層構造が必要となり、同積層構造を構成する材料として、超伝導体に高い臨界温度(約92K)をもつYBa_2Cu_3O_<7-y>(YBCO)を、また強誘電体と強磁性体にYBCOと同種のペロブスカイト構造とほぼ等しい格子定数をもち、77K近傍にキューリー点をもつ、Ba_<0.05>Sr_<0.>95TiO_3(BSTO)とPr_<0.85>Ca_<0.15>MnO_3(PCMO)を選択した。次に、これらの積層構造をレーザーアブレーション法により作製した結果、全てc^-軸配向の良好なエピタキシャル成長薄膜が得ることに成功した。さらに、この三層構造のチューナブルマイクロ波フィルタを作製し、そのチューナブル特性をネットワークアナライザーで測定した。その結果、7GHzの中心周波数に対し、電界では約1.5MHz、磁界では2.1MHzの中心周波数の変化を観測した。しかしながら、これらのチューナビリティはまだ小さいため、次年度に向けて構成材料と素子構成について検討を進めている。
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