2000 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ焼結による高強度高比表面積多孔質セラミックスの開発
Project/Area Number |
12650690
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
陳 立東 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (90280883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
唐 新峰 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (70302213)
大森 守 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30005954)
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Keywords | セラミックス / 放電プラズマ焼結 / 多孔体 / ウィスカー / 炭化ケイ素 |
Research Abstract |
高い比表面積をもつ多孔質セラミックスを開発するために,炭化珪素ウィスカーを出発原料として,放電プラズマシステム(SPS)を用いて焼結を行い,炭化ケイ素ウィスカーの焼結過程に及ぼすSPS条件(温度,圧力,昇温速度,焼結時間など)の影響について調べ,以下の知見を得た。 1.焼結温度1700℃〜1900℃で,SiCウィスカーの間に多くのネックが形成したことが観察された。ウィスカー同士が多数のネックにより連結しミクロンポアを有した多孔質体の作製に成功した。 2.得られた多孔質炭化ケイ素の気孔率は焼結温度および圧力の増加につれて減少し,30-80%の範囲に変化した。BET比表面積は従来のSiC多孔質体より5-10倍高く,約0.8-1.0m^2/gであった。また,曲げ強度は従来の同じ気孔率をもつ炭化ケイ素多孔質体より約10倍高く,気孔率の変化によって,40-90MPaの範囲に変化した。 3.焼結温度1950℃以上では,粒子の粗大化が進行し,多孔質体の比表面積と強度が急速に低下した。これは高温における炭化ケイ素の表面拡散が顕著になったためと考えられる。 以上の研究成果を次の関連学協会において発表した。 ・日本セラミックス協会第13回秋期シンポジウム(北九州,2000年10月11-13日) ・粉体粉末冶金協会平成12年度秋季大会(京都,2000年10月18-20日) 今後の研究計画:SPSにおけるSiCウィスカーの焼結機構を解明するとともに,得られたSiC多孔質体の電気的性質や表面ガス吸着特性などについて評価し,SiC多孔質体の高強度と高表面積を生かした応用の新展開を図る。
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