2001 Fiscal Year Annual Research Report
超楕円体近似による異方性弾性体中の整合析出物の力学的状態と安定形状の解析
Project/Area Number |
12650693
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
尾中 晋 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40194576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤居 俊之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40251665)
加藤 雅治 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50161120)
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Keywords | マイクロメカニックス / 超楕円体 / 超球 / 弾性ひずみエネルギー / ミスフィットひずみ / 析出粒子 / 平衡形状 / 超合金 |
Research Abstract |
超楕円体は,楕円体を主軸と平行な直交座標系によって示す式の指数2を2以上の実数に拡張して定義される空間図形である.2以上の実数に拡張した指数の値に応じて,超楕円体の形状は,球や立方体,そして楕円体や直方体およびそれらのあいだの中間的な形状になる.本研究では,介在物形状が超楕円体である場合のマイクロメカニックスにおける介在物問題を考察した.さらに,この介在物問題の解を用いて,合金中の整合析出物の安定形状をエネルギー論によって考察した.主要な結果は以下の通りである. 1.超楕円体介在物の平均的Eshelbyテンソルの導出 立方晶構造を持つ弾性体に含まれる超楕円体介在物の平均的Eshelbyテンソルの成分の値を,弾性係数の異方性を示すパラメーターと超楕円体の形状指数の関数として算出した.この平均的Eshelbyテンソルの成分の値より,楕円体介在物と直方体介在物がもたらす弾性ひずみエネルギー,そして楕円体と直方体のあいだでの介在物の形状変化による弾性ひずみエネルギーの変化を知ることができる. 2.整合析出物の安定形状 Ni-Al合金中のNi3Al整合析出物とCu-Cr-Co合金中のCr-Co整合析出物の安定形状が,析出物寸法の増加に伴い球から立方体へと徐々に変化する実験結果を得た.この球と立方体のあいだの整合析出物形状が,適当な指数の場合の超楕円体形状で極めて良く近似できることがわかった.Ni-Al合金中のNi3Al析出物とCu-Cr-Co合金中のCr-Co析出物は,母相に対してミスフィットひずみを持つ介在物と言える.超楕円体についての介在物問題の解によって,これらの合金中の整合析出物の安定形状が,弾性ひずみエネルギーと界面エネルギーの和を最小にする平衡形状として明解に説明できることを示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Onaka: "Averaged Eshelby Tensor and Elastic Strain Energy of a Superspherical Inclusion with Uniform Eigenstrains"Philosophical Magazine Letters. 81. 265-272 (2001)
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[Publications] S.Onaka, N.Kobayashi, M.Kato: "Two-dimensional Analysis on Elastic Strain Energy due to a Uniformly Eigenstrained Supercircular Inclusion in an Elastically Anisotropic Material"Mechanics of Materials. (in press). (2002)
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[Publications] S.Onaka, N.Kobayashi, T.Fujii, M. Kato: "Simplified energy analysis on the equilibrium shape of coherent γ precipitates in γ matrix with a superspherical shape approximation"Intermetallics. (in press). (2002)