2000 Fiscal Year Annual Research Report
金天基合金の高温・初期酸化反応の動力学と酸化物皮膜の形成・破壊修復メカニズム
Project/Area Number |
12650705
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐伯 功 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50235090)
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Keywords | 高温酸化 / 酸化物皮膜 / クリープ / アコースティックエミッション |
Research Abstract |
平成12年度は本研究に用いる赤外線イメージ炉急速試料加熱装置の設計および製作および作成した装置を用いFe-Cr合金鋼の高温・初期反応過程における酸化動力学と皮膜の破壊挙動の検討を計画した。 (1)赤外線イメージ炉急速試料加熱装置の設計および製作 高温初期酸化反応過程における酸化質量増加と保護性酸化物皮膜の破壊挙動に基づくアコースティックエミッションを同時計測可能な装置の設計・製作を行った。初期酸化反応を追跡するために、加熱は赤外線イメージ炉により、毎秒100K程度の急速加熱を可能にした。当初石英スプリングバランス、CCDカメラおよびカセトメーターを用いて質量変化を計測するとともに、石英スプリングバランスを介して伝達されるアコースティックエミッションをセンサーで捕捉しようと計画した。しかし、石英スプリングバランスの直径が小さく、総延長が大きいためにアコースティック信号の減衰が著しかったため、研究の中途段階において上記の同時計測は困難であると判断した。一方、保護性酸化物皮膜が破壊する際にはアコースティックエミッションが放出されると同時に合金と水蒸気ガスの直接反応によって水素が放出されると考えられるので、この二つの現象を同時計測することによって皮膜の破壊挙動と動力学の関係を議論するべく方針の転換を行った。現在、装置の製作と制御プログラムの開発中である。 (2)Fe-Cr合金鋼の高温・初期反応過程における酸化動力学と皮膜の破壊挙動の検討Fe-Cr合金の高温・初期酸化反応において生成した酸化物皮膜の破壊挙動を当初の計画より低温である873-1073Kの温度範囲で検討中である。現在、アコースティックエミッションを効率的に捕捉するための条件を検討中である。
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