2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい金属粉末射出成形プロセスによる高度複雑形状化と多機能化の同時獲得
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12650717
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三浦 秀士 熊本大学, 工学部, 教授 (30117254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 誠 熊本県工業技術センター, 生産技術部・研究員
松田 光弘 熊本大学, 工学部, 助手 (80332865)
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Keywords | 金属粉末射出成形 / 接合 / 高度複雑形状化 / 多機能化 / 溶媒脱脂温度 / 焼結収縮挙動 |
Research Abstract |
金属粉末射出成形(MIM)プロセスによれば,旧来の金型プレス成形による粉末治金法では得られない高密度で3次元的に複雑な形状の部品をニアネットシェイプで作成することができるが,本プロセスを用いてMIM製品のさらなる大型化・複雑化に加え,異種材料の組み合わせによっては多機能化にも対応しうるMIMインプロセス接合の応用展開も期待されている。これまでの研究によれば,溶媒抽出時の溶融バインダを利用することで同種,異種材ともに加圧力を必要とすることなく,接合可能なことがわかっている。 本研究では磁性を呈するマルテンサイト系ステンレス鋼(SUS420J1)粉末と,非磁性のオーステナイト系ステンレス鋼(SUS304L)粉末を用いて,従来の単純形状部品の組み合わせでなく,よりMIMの特長を生かすという実践的観点よりリング形状をした薄肉かつ中空品である成形体を作製し,それらの脱脂,焼結特性ならびに3ピース品の接合特性について調査,検討した結果,以下のような結論を得た。 1)薄肉・中空品の成形体をアルミナ粉末で包み込み,脱脂,焼結を施すことで健全な焼結体を得ることができた。 2)同種材料同士の接合体を引張試験したところ,単体のMIM材と同等な値が得られ,しかも接合界面の判別もつかないほど,ほぼ完全に一体化していることがわかった。 3)SUS304L/SUS420J1の異種材料の組み合わせ接合体において,SUS304L側からSUS420J1側へNiがかなり拡散しており,接合部近傍においてはマルテンサイトおよびフェライトの混合組織が形成されていることから,接合面を通る拡散が活発に生じていることがわかった。
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