2001 Fiscal Year Annual Research Report
強力超音波音場内に形成された反応場における異種高分子材料界面の接合機構
Project/Area Number |
12650721
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Research Institution | TAKUSHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森 きよみ 拓殖大学, 工学部, 講師 (10198153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙北谷 英貴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70313343)
栗山 卓 山形大学, 工学部, 助教授 (10186520)
足立 和成 山形大学, 工学部, 助教授 (00212514)
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Keywords | 超音波 / 超音波溶接 / 接合 / 溶着 / プラスチック / 摩擦 / 振動 / 表面分析 |
Research Abstract |
前年度の研究においては,以下のような成果を得た. (1)剪断方向の振動を与えたときのプラスチックの発熱機構の検討 (2)プラスチックを摩擦を加えたときの表面形状の変化により剪断型(PTFEなど)、炭化型(ポリイミドなど)および溶融型(汎用プラスチック)に分け、各組合せにおける接合状態を検討した。その結果接合状態の分類は材料に依存するものではなく、各組合せによる界面の微視的構造変化に大きく依存すると推定された。 そこで今年度は異種プラスチック間の接合状態を次のように分類し、接合界面についてX線分析による新生成物の発生の有無、分子レベルにおける機械的接合、巨視的レベルにおけるアンカー効果の有無について測定した。 (1)新生成物の発生:ESCA(X線光電子分析)により超音波エネルギーによる新たな分子結合(特に水素結合)の発生の有無について検討した。これが検出された場合、超音波接合においては最も強度の高い接合状態が得られる。 (2)分子レベルでの機械的接合:EDS分析により各界面における分子の侵入具合を可視的に観察した。界面全体に亘って結合が生じていれば高強度の接合が得られる。 (3)アンカー効果による接合:溶融状態に至った各材料が超音波振動により絡み合うことにより、接合状態に至る。SEM観察により、この状態の有無を観察した。溶融プラスチックの流動方向も調べることにより、接合強度との関係が明らかになる。 (4)その他の場合:全く接合状態には至らない。本研究で使用した材料間では全て接合状態に至っており、この場合に当てはまるものは無かった。ただしPTFE/PEについては、時間経過にしたがって接合状態が解けた。接合状態を維持するためには接合直後の急冷が極めて有効であったことから、基本的には(3)の状態であり、PTFEの排他性により接合状態が解けたことが分かった。
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Research Products
(1 results)