2000 Fiscal Year Annual Research Report
最大出力4kwのYAGレーザー加工におけるインプロセスモニタリングの研究
Project/Area Number |
12650725
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
中村 奨 長岡工業高等専門学校, 電気工学科, 助教授 (10217854)
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Keywords | YAGレーザー / 溶接 / 発光 / 音響 / 周波数解析 / モニタリング |
Research Abstract |
本研究では、YAGレーザー溶接の際に生じる二つの溶接性状、即ち深溶け込み型溶接と熱伝導型溶接のモニタリングに関する研究を行い、プラズマ発光放射および音響放射を解析することでその性状を評価する方法を提案した。材料には軟鋼SS400、ステンレス鋼SUS304、アルミニウムA5083を用いた。本研究において得られた結論を以下に示す。 (1)溶接性状はアスペクト比(溶け込み深さ/ビード幅)がおよそ0.4を境に深溶け込み型から熱伝導型へと遷移する。 (2)発光・音響信号のスペクトルにおいて、溶接性状が深溶け込み型から熱伝導型へと遷移することにより、低周波数帯における卓越した周波数成分は徐々に減少する。 (3)同一スペクトル上の二つの周波数帯の信号強度比をとることにより、溶接性状を判断することが可能である。 ・ SS400とSUS304では発光信号の周波数帯1.1-3.0kHzと27.1-30.0kHzの強度比をとることで溶接性状を評価することができる。 ・ A5083では音響信号の周波数帯1.1-3.0kHzと22.1-25.0kHzの強度比をとることで溶接性状を評価することができる。 本研究では各材料に対して、発光・音響信号の主要な周波数帯を見出すことに成功したが、その発信源について詳しいことはいまだ明らかになっていない。これについて、今後更なる研究を行う必要がある。 結論として、実際の溶接行程において、本研究で得られた主要な周波数帯のみをバンドパスフォルタにより取り出し、リアルタイムに溶接性状をモニタリングすることは非常に有用であると言える。
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