2000 Fiscal Year Annual Research Report
光ファイバによる化学構造検出機能を付与したスマートマテリアルの検討
Project/Area Number |
12650747
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保内 昌敏 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (00186446)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仙北谷 英貴 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (70313343)
津田 健 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (90016585)
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Keywords | スマート材料 / 腐食 / 光ファイバ / プラスチック / 化学構造 / 加水分解 / 複合材料 |
Research Abstract |
耐食FRPの化学的な腐食劣化に対し,オンラインモニタリングにより非破壊で定量的評価を行うことを目的に研究を行った. まず,耐食FRP用マトリックス樹脂として使用されているイソフタル酸系不飽和ポリエステル樹脂を水酸化ナトリウム水溶液中に浸せきし,腐食挙動を観察したところ,表面から変色層を形成しながら腐食が内部に進行するタイプの腐食層形成型腐食であることが明らかになった.変色層は加水分解を受けた層と一致し,「変色層=腐食層」であることが確認された. 次に,このような腐食劣化をモニタリングする方法として,光ファイバのコア部分(光線透過部)を露出させて樹脂と接触させることにより,光ファイバ内を通る光の波長特性の変化をフーリエ変換型赤外分光光度計(FT-IR)を用いて検出することを試みた.光ファイバと樹脂の濡れ性がよい状態で実験を行うため,未硬化の液状樹脂中にコア露出光ファイバを埋設した.この液状樹脂に水酸化ナトリウム水溶液を加えて加水分解反応を起こさせ,FT-IR分析を行った結果,エステルの加水分解を示すIRピークの変化が観察された.以上のことから,本システムを用いて樹脂の加水分解による腐食劣化をオンラインモニタリングにより検知できる可能性を見出した.この方法は,エステルの加水分解だけでなく,IRピークが顕著に変化する系であれば,他の材料例えばエポキシ樹脂やビニルエステル樹脂にも適用できる.今後は,樹脂硬化物の腐食劣化のモニタリングを行っていく.
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Tomonori Tomiyama,Masatoshi Kubouchi,Hideki Sembokuya and Ken Tsuda: "Smart Structure for Corrosion Monitoring of Anticorrosion FRP"Proc.3rd CanSmart Workshop on Smart Materials and Structures. 47-56 (2000)