2000 Fiscal Year Annual Research Report
気中のガス状およびクラスター状汚染物質の壁面付着モニタ装置の開発と付着挙動の評価
Project/Area Number |
12650755
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
島田 学 広島大学, 工学部, 助教授 (70178953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 喜久夫 広島大学, 工学部, 教授 (00101197)
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Keywords | 炭化水素系汚染物質 / 付着速度 / 吸着・脱着 / ピエゾバランス / モニタリング / マイクロコンタミネーション |
Research Abstract |
本研究の目的は、壁面のマイクロコンタミネーションとして問題となる、ガス状およびクラスター状汚染物質の壁面付着現象に対して、気中濃度と付着速度の定量的な関係を、測定、および汚染物質の気中の輸送現象と壁表面での保持機構を考慮した化学工学的なアプローチによって解明することである。本年度行った研究の内容は、以下のとおりである。 (1)水晶振動子と高周波発振回路を組み合わせたピエゾバランスセンサーを製作し、汚染物の付着量を振動周波数の変化として読み取れる高感度質量モニタを開発した。また、センサーの振動子部分を封入できるように設計したテストガス流通試験用容器、および微量の炭化水素系ガスを空気中に含んだ混合ガスが安定に発生できる、テストガス発生装置を製作した。 (2)トルエン、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレートを含むテストガスを流通試験用容器に流通させ、センサーへの付着量とその経時変化を計測することに成功した。また、テストガスの濃度、温度など環境因子の変化による付着速度の変化が実験的に明らかにされた。 (3)流れと拡散による、汚染ガスの空気相中から壁面への輸送を表す基礎式、ならびに汚染ガスの表面での吸脱着を考慮した付着を表す基礎式が導出された。以上の2つの基礎式を連成した輸送・付着モデルを構築し、これを表現する数値計算プログラムを作成した。現在、数値計算で得られた結果と、本実験ならびに他の研究者によって得られた実験結果を比較検討して、モデルの妥当性を評価しつつある。 (4)微分型静電分級装置と高感度微小電流計を組み合わせた測定システムを構築することで、次年度以降行う、クラスター化したガスの付着挙動の計測実験の準備を行った。
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