2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650758
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩井 芳夫 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (80176528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米澤 節子 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (50294898)
東 秀憲 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (40294889)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 水 / エントレーナ効果 / カフェイン / フーリエ変換赤外分光器 |
Research Abstract |
フーリエ変換赤外分光器を用いて、超臨界二酸化炭素に対するカフェインの溶解度におよぼす水のエントレーナ効果を313.2K、15.0MPaで測定した。カフェインを研究対象にした理由は、超臨界二酸化炭素によりコーヒー豆や紅茶からカフェインを抽出するプラントがすでに稼動しているが、そのプラントでは芳香成分を失わないために水を添加してカフェインを抽出しており、水の挙動に興味がもたれたからである。また、超臨界二酸化炭素に対するカフェインの溶解度におよぼす水のエントレーナ効果の文献として、数倍上昇させる効果があるとするものと、ほとんど効果はないとするものがあり、どちらが正しいのか確かめる必要があったためである。まず、超臨界二酸化炭素に対するカフェインの溶解度を、カフェインの1190cm^<-1>のピーク吸光度を用いて測定した。カフェインの仕込み濃度に対して吸光度をプロットし、Lambert-Beerの法則に従う領域と、吸光度が一定となった領域で、それぞれの点を通る直線を引きその交点を溶解度とした。その結果、超臨界二酸化炭素に対するカフェインの溶解度はモル分率で1.44×10^<-4>となり、文献値と良好に一致した。次に、カフェインが溶け残った状態から水を徐々に添加したところ、カフェインのピークが上昇し、溶解度が上昇することがわかったが、その上昇率は最大でも18%であった。また、カフェインの赤外吸収ピークの形状は水を添加しても変化せず、新たなピークも出現しなかったことから、カフェインと水は特別な相互作用種を作らないものと推察された。
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