2001 Fiscal Year Annual Research Report
超臨界二酸化炭素を含む自然混合熱媒体を用いたヒートサイクルシステムの開発
Project/Area Number |
12650770
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
越智 健二 日本大学, 理工学部, 教授 (10059389)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗原 清文 日本大学, 理工学部, 助教授 (50186508)
栃木 勝己 日本大学短期大学部, 教授 (70060027)
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Keywords | 超臨界二酸化炭素 / 混合熱 / ヒートポンプ |
Research Abstract |
本研究は二酸化炭素の臨界点近傍で二酸化炭素とメタノールを混合させた時に現れる大きな発熱に着目し,この熱効果を利用した環境対応型ヒートポンプの開発を目的としたものである.本年度は両流体をリサイクルさせるシステムを設計し,混合による発熱量がどの程度有効に確保できるかを検討し,次のような知見をえた. 1.まず本システムのメインである混合部について,二酸化炭素近傍(308K,7.5MPa)で,液体状態のメタノールと超臨界状態の二酸化炭素を効果的に混合させるために,密度差の影響を受けない混合方式を検討し,二重管式(内管にメタノール,環状路に二酸化炭素)のラインミキサーを製作した.この混合方式により二酸化炭素35mol%付近で約20℃の昇温効果がえられることを確認した.これは別途熱量計により測定した発熱量の約80%に相当するものである.しかし,本系の最大熱効果が期待される二酸化炭素80mol%付近では,20℃以上の昇温効果がえられなかった.それは装置が小規模のため,メタノール流量が微量であることから,組成の調整が難しいことと,発熱が混合流体の顕熱に消費されたためと考えられる. 2.次に二酸化炭素とメタノールを混合させた後,両流体をリサイクルさせるために,それぞれに分離する方式を検討した.特に分離の際,液体メタノールの二酸化炭素中への飛沫同伴を防ぐことを考慮し,分離器内に網目板を付帯させ背圧弁と組み合わせた方式を考案した.この機構により,メタノールと二酸化炭素との分離が可能であることを確認した. 3.さらに分離器からの二酸化炭素を液化してリサイクルさせるために熱交換型のクーラーを導入し,分離器からの二酸化炭素の断熱冷却による液化条件を熱交換器によって制御する方式を検討した.この制御については,現在検討中である. 4.実験研究と併せて,超臨界領域の熱効果が期待できる液体の組み合わせについて,熱量計による測定を進め,現在継続中である.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 越智健二: "超臨界領域における混合熱とその利用"Journal of the Society of Inorganic Materials,Japan. 8・3. 166-173 (2001)
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[Publications] Kenji Ochi, Wenbin Dai, Yutaka Wada, Hiroyuki Hayashi, Kiyofumi Kurihara, Kazuo Kojima: "Measurement and correlation of excess molar enthalpies for the systems containing supercritical carbon dioxide and alcohols"Fluid Phase Equilibira. (in press). (2002)