2000 Fiscal Year Annual Research Report
燃料の予熱を必要としない低温着火用触媒の開発及びその特性についての検討
Project/Area Number |
12650779
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐々木 一成 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (80322296)
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Keywords | 触媒燃焼 / パラジウム / 酸化スズ / 低温着火性 / 水蒸気被毒 / メタン酸化 |
Research Abstract |
本年度はPd系触媒のメタン低温酸化特性におよぼす水蒸気の影響について研究を行った。水蒸気はメタンの燃焼生成物であるため、水蒸気のPd系触媒活性への影響は低温着火触媒の開発において重要な知見である。Pd系触媒としては、これまでにPd/SnO_2、Pd/Al_2O_3、Pd/Al_2O_3-36NiOが低温着火性に優れることが分かっており、これらを用いて水蒸気濃度が0〜20vol%の範囲で低温着火特性およびメタン酸化活性について調べた。 水蒸気濃度が0vol%の場合には低温着火性はPd/SnO_2、Pd/Al_2O_3、Pd/Al_2O_3-36NiOの順となったが、水蒸気濃度の増加に対しPd/Al_2O_3の低温着火性の低下が著しく、水蒸気共存下ではPd/Al_2O_3がPd/Al_2O_3-36NiOよりも低活性となった。Pd/SnO_2、Pd/Al_2O_3-36NiOでも水蒸気濃度の増加により活性が低下するが、Pd/Al_2O_3に比べて低下の度合いは低かった。昇温脱離測定を行ったところ、Pd/SnO_2,Pd/Al_2O_3-36NiOではより高温で脱離する酸素が存在することが確認された。これは担体との相互作用でより安定に存在するPdOx種がPd/SnO_2、Pd/Al_2O_3-36NiO上に存在し、このため耐水性が向上しているものと考えられる。 次に水蒸気をパルス状に周期的に触媒層に導入し、水蒸気による触媒被毒についてPd/SnO_2、Pd/Al_2O_3をもちいて調べた。水蒸気の注入と同時に活性が著しく低下したが、注入後は即時に初期活性を示し、水蒸気による被毒は一時的な効果であることが確認された。
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