2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗体可変領域の安定性を利用した抗原濃度測定法の一般化
Project/Area Number |
12650782
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上田 宏 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (60232758)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長棟 輝行 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20124373)
|
Keywords | 抗体 / 免疫測定 / ファージディスプレイ / コンビナトリアル / 可変領域 / ELISA / スクリーニング / リゾチーム |
Research Abstract |
本研究の目的は、「抗体可変領域(Fv)断片の抗原による安定化を利用した新原理高速免疫測定法に適したFv断片を,迅速かつ効率的に得るための方法論を確立すること」である. 今年度は我々独自のアイディアに基づき,すでに新原理高速免疫測定法(オープンサンドイッチ法)が可能なことが知られている抗リゾチーム抗体HyHEL-10の抗原結合能およびVH/VL相互作用が単一の遺伝子を持つファージを用いて簡便に測定できるかどうか検証した.まず最近発表されたM13gene7,gene9各蛋白質(p7,p9)を利用した提示法(Gao et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA96,6025-6030(1999))を利用し,VH断片をp7と,VL断片をアンバーコドンを介してp9との融合タンパク質として発現するように単一ファージミドベクター上に組み込んだ.そして適当なアンバーサプレッサー株(例えばTG-1)でこれを発現させ,Fv断片として提示させてその抗原結合能を確認した所,有意な結合を観測した.次に同じファージミドを非サプレッサー株(例えばHB2151)で発現させ,ファージ上にp7と融合されたVH断片のみが提示される様にしてVL断片は可溶性蛋白として培地に分泌発現させた.そしてVHファージと可溶性VL断片を含む培養上清を発現させたVLに結合能のある抗c-myc抗体固定化プレートにアプライする事により,既往法と同等の結果が得られるかどうか検証した.この結果,抗原濃度依存的なファージ結合を観測することが出来,この方法がスクリーニング法として有用であることが示された. 今後は,抗ヒト血清アルブミンハイブリドーマ由来VH/VL断片に変異を導入したもの,あるいは免疫マウス由来断片をこのベクターにクローン化し,小規模のライブラリーからどの程度VH/VL相互作用の異なるクローンが得られるか,またその抗原濃度依存性について検討する予定である.
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Suzuki,C.,Ueda,H., et al.: "Open Sandwich Enzyme-Linked Immunosorbent Assay for the quantitation of small haptens."Analytical Biochemistry. 286・2. 238-246 (2000)
-
[Publications] Arai,R.,Ueda,H., et al.: "Fluorolabeling of antibody variable domains with green fluorescent protein variants : Application to an energy transfer-based homogeneous immunoassay."Protein Engineering. 13・5. 369-376 (2000)
-
[Publications] Arai,R., et al.: "Demonstration of a homogeneous noncompetitive immunoassay based on bioluminescence resonance energy transfer."Analytical Biochemistry. 289・1. 77-81 (2001)