2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650783
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中村 聡 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 教授 (50227899)
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Keywords | 好アルカリ性細菌 / キシラン / キシラナーゼ / 触媒ドメイン / キシラン結合ドメイン / ファージディスプレイ / 進化分子工学 |
Research Abstract |
好アルカリ性バシラス属細菌41M-1株キシラナーゼは,ファミリー11触媒ドメインと新規キシラン結合ドメイン(XBD)から構成される「好アルカリ性」の酵素である。 41M-1株キシラナーゼの「好アルカリ性」機構の解明を目的として,触媒ドメインについてタンパク質工学的検討を行った。触媒残基の極近傍に位置する中性アミノ酸Asn44を酸性アミノ酸Aspに置換したところ,反応の至適がアルカリ性(pH9.0)から中性(pH6.0)へとシフトした。これより,Asn44が本酵素の「好アルカリ性」という性質に重要な役割を果たしていることがわかった。本酵素の立体構造モデルから,Asn44のAspへの置換により触媒残基側鎖カルボキシル基のpKaが上昇している可能性が考えられた。 次に,41M-1株キシラナーゼのXBDに注目し,ファージディスプレイと進化分子工学を利用した機能解析を行った。XBDをコードする遺伝子にランダム変異を導入した後,ファージベクターfNE2に連結し,変異型XBDを提示するファージライブラリーを作製した。その際、繊維状ファージの外殻タンパク質gIIIpをコードする遺伝子の5'側に変異型XBD遺伝子を連結した。この変異型ファージライブラリーをキシラン充填カラムに通し,カラムを通過したファージを集めることにより,キシランheの結合能を失ったファージ粒子を選抜した。当該ファージクローンの解析により,Phe284やTrp317といった芳香族アミノ酸残基がXBDのキシラン結合に関与していることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Matsuo et al.: "Cloning and Expression of the Ferredoxin Gene from Extremely Halophilic Archaeon Haloarcula japonica Strain TR-1"BioMetals. 14. 135-142 (2001)
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[Publications] 鈴木麻美絵ほか: "大腸菌O157ベロ毒素遺伝子検出系の構築"生理学技術研究会報告(生理学研究所技術課・編). 23. 116-117 (2001)
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[Publications] R.Yatsunami et al.: "Gene clusters encoding ATP sythase of Haloarcula japonica strain TR-1"Nucleic Acids Res. Suppl.. 1. 51-52 (2001)
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[Publications] 中村 聡: "極限環境微生物と極限酵素"BIO INDUSTRY. 18. 14-20 (2001)
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[Publications] 八波利恵, ほか: "生体内分子と自己修復"科学と教育. 49. 122-125 (2001)
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[Publications] T.Fukazawa et al.: "Chitin and Chitosan, Chitin and Chitosan in Life Science(ed.by T.Uragami, K.Kurita and T.Fukamizo)"Kodansha Scientific Ltd.. 600 (2001)