2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650794
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
太田 清久 三重大学, 工学部, 教授 (50024609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 聡 三重大学, 工学部, 助手 (70281079)
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Keywords | 金属蒸気分離分析 / SMVEA / 環境試料分析 / 生体試料分析 / 鉛 / 銅 / 原子吸光検出器 |
Research Abstract |
試料を気化し,金属ガスを直接分離できる金属蒸気分離分析システムは,多大な利点《1)高温金属蒸気の物理的・化学的性質の解明,2)金属蒸気の直接分離分析,3)化学的前処理の不要->汚染の抑制,簡便化,低コスト,4)光学・化学干渉の低減,5)Tandem instrumentation(MS,ICP,AAS,AES)への応用の可能性》が期待できる。にもかかわらず,システム化の困難性という大欠点が在るために,これまで国の内外ともに研究されていなかった。 金属管(モリブデン又はタングステン)より製作される金属蒸気分離分析(SMVE)装置(カラム温度が1300℃以上)はこれまで,我々以外によっては研究されていない。従来の類似した研究についても世界的に非常に少ない。カラム温度が超高温であるため,原子蒸気が直接分離する。従って,化学干渉が無くなり,精度良い超微量元素分析が期待できる。 しかし,超高温のカラムが必要な事もあって、システム化の困難性という大欠点があった。 平成12年度は 金属蒸気分離システムの設計。適切な分離カラムの開発・改良(耐熱窒化物,耐熱酸化物,炭化物,モリブデン,タングステン等高融点カラム素材の検討)及びカラムの設計。開発・改良した高温金属ガス分離カラムを新規購入の小型高周波誘導加熱装置(MU-1700B)に入れ,これに検出器として既存の原子吸光・発光法または他の検出器を組合わせた。金属蒸気分離分析装置の性能試験と金属ガスの分離に関する性能を調べた。 基礎実験として加熱したモリブデン金属管及びタングステン金属管よりの、鉛、銅などの環境汚染金属の原子化(蒸気化)の状態を調べ、環境試料及び生体試料の分析に応用した。これらの金属はモリブデン管またはタングステン管アトマイザーから約1800℃以上で安定して蒸気化するが、モリブデンカラム中ではナトリウム、カドミウム、鉛、銅などの金属はカラム温度700〜1800℃でキャリヤガス(アルゴン、アルゴン+水素)0.5〜6ml/minを流すことにより、分離した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Ahsan,S.Kaneco,K.Ohta and T.Mizuno: "Determination of Trace Lead in Pure Copper Slurry by Electrothermal Atomic Absorption Spectrometry with Molybdenum Tube Atomizer."Analusis. 28・5. 413-415 (2000)
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[Publications] K.Ohta,H.Tanahasi,T.Suzuki and S.Kaneco: "Preconcentration of Trace Copper with Yeast for River Water Analysis."Talanta. 53. 715-720 (2000)
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[Publications] S.Kaneco,K.Inomata,S.Itoh,T.Suzuki and K.Ohta: "Development of Economical Treatment System for Plating Factory Wastewater."生活衛生. 47・5. 211-215 (2000)