2002 Fiscal Year Annual Research Report
カリックスキノン/カリックスヒドロキノン系を用いた機能性LB膜の構築
Project/Area Number |
12650806
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Research Institution | TOKYO INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
菅 耕作 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (90016642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 実 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 助教授 (50162342)
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Keywords | カリックスキノン / カリックスヒドロキノン / 機能性LB膜 / 酸化還元反応 / 分子認識能 / 自己組織化単分子膜 / 原子間力顕微鏡 / 付着力 |
Research Abstract |
本研究の目的は、多様で特異的な機能が期待されるカリックスキノン/カリックスヒドロキノン系の分子認識機能と多電子多プロトン移動反応を利用して新たな機能性LB膜を構築する可能性を明らかにするため、この系を表面に固定した電極の酸化還元挙動と酸化還元に伴う分子認識能の変化ならびにこの系とゲスト化合物との反応を伴う相互作用の特徴を、実験的ならびに計算化学的に明らかにしようとするものである。 申請者等は、これまでカリックスヒドロキノンの特異的な酸解離挙動に着目し、親水基に陽イオンを持つ両親媒性化合物からなるLB膜を作成し、酸解離したカリックスヒドロキノンアニオンとのイオンコンプレックス形成を電気化学的な手法を用いて検討してきた。その結果、適当な条件を選べば、両者のコンプレックス形成により、カリックスヒドロキノンを固定したLB膜を作成できることが明らかになってきた。しかしながら、その後の検討により、LB膜を電極表面に安定に固定するには、電極-LB膜間の相互作用力が必ずしも十分でないことが判明した。 そこで、もう一つの方法として、LB膜に替わる有機単分子膜として注目されている自己組織化単分子膜によるカリックスキノン/カリックスヒドロキノン系の電極表面への固定化を検討することにした。自己組織化単分子膜の表面状態を分子レベルで観測する手段として、原子間力顕微鏡(AFM)が知られている。今年度の研究では、その分子分解能を決定する上で重要な付着力の分布に注目し、金基板上のチオール分子とAFM探針間に働く付着力に及ぼす表面形状の影響を実験的に検討し、表面が原子レベルで平坦な場合には、非常にシャープな付着力分布が得られるのに対し、表面がAFM探針の先端の曲率半径に近い曲率半径を持つ凹凸が存在する場合、付着力の分布がブロードになることを見いだした。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 菅 耕作: "Atomic force microscopy/friction force microscopy study on phase sepa-ration of mixed LB films containing amphiphiles with bulky probe units"Colloids and Surfaces A. 198・200. 127-134 (2002)
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[Publications] 菅 耕作: "A study of topographic effects on chemical force microscopy using adhesive force mapping"Ultramicroscopy. (in press). (2003)
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[Publications] 櫻井 実: "Molecular dynamics of the M intermediate of photoactive yellow protein in solution"J.Photoscience. 9. 134-137 (2002)