2001 Fiscal Year Annual Research Report
家庭用電子レンジを用いた部分安定化ジルコニアのマイクロ波焼結
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12650828
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Research Institution | Shonan Institute of Technology, Faculty of Engineering |
Principal Investigator |
藤津 悟 湘南工科大学, 工学部, 教授 (20165400)
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Keywords | マイクロ波 / 電子レンジ / 部分安定化ジルコニア / 焼結 / PZT / 粒成長 |
Research Abstract |
本研究は申請者が開発した家庭で調理用に使われている電子レンジを用いた,緻密な部分安定化ジルコニア焼結体(PSZ)の作成における最適化と焼結機構の解析を目的とした.これは家庭用電子レンジで自己発熱を起こすZnO-MnO_2-Al_2O_3からなるセラミックスペレットをプレヒーターとして用い,これに挟まれたPSZペレツトを加熱しマイクロ波吸収自己発熱,緻密化に導くものである. その結果,(1)相対密度99%以上の緻密な部分安定化ジルコニア焼結体を家庭用電子レンジ16分間の加熱により得た.電子レンジ中のマイクロ波照射により,被加熱物は1200℃程度まで加熱された.この温度で16分間の通常加熱(電気炉利用)ではこのような緻密焼結体は得られない.すなわち,マィクロ波加熱により,緻密化の低温促進が観測された.最適条件では電子レンジでの16分間の加熱により,1450℃2-4hでの加熱により得られる焼結体密度と同様になった.また焼結される成形体の大きさはペレットの場合20mm以上の直径が必要であることがわかった. (2)得られた焼結体の曲げ強度は通常法(1450℃,4hの加熱)で得られた部分安定化ジルコニア緻密焼結体のそれに匹敵した.この点から本焼結法が省エネルギー,低価格化の点で優れていることが証明された. (3)作成された部分安定化ジルコニアの微細構造の精密な観測から焼結機構を考察した.マィクロ波加熱では明らかな粒成長促進が観測された.これは予めマイクロ波焼結により得られた焼結体をさらにマィクロ波加熱,電気炉加熱し,.その微細構造の比較から結論した.このことにより,マイクロ波による焼結が短時間に達成される理由として、マイクロ波照射による強制的な欠陥生成とこれに伴う拡散促進によるというモデルを提案した.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Fujitsu, H.Sekiguchi: "Piezoelectric Properties of Transparent Zinc Oxide Thin Plate with C-axis Orientation"Key Engineering Materials. 216. 39-42 (2001)
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[Publications] S.Fujitsu, T.Ikegami, T.Hayashi: "Sintering of Partially Stabilized Zirconia by Microwave heating using Zn-O-MnO_2-Al_2O_3 Plates in a Domestic Microwave Oven"J. Am. Ceram. Soc.. 83. 2085-2087 (2000)
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[Publications] S.Fujitsu, T.Hayashi: "Sintering of Partially Stabilized Zirconia using a Domestic Microwave Oven"Trans. Mat. Res. Soc. Jpn.. 25. 181-184 (2000)
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[Publications] S.Fujitsu, T.Hayashi: "Sintering of Partially Stabilized Zirconia by Microwave heating using ZnO-MnO_2-Al_2O_3 Plates in a Domestic Microwave Oven -Self Heating and Microstructure of PSZ"Ceram. Trans.. 108. 63-70 (2000)
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[Publications] 藤津悟 他6名: "先端無機材料科学"裳晃堂. 182 (2000)