2000 Fiscal Year Annual Research Report
オキサゾリジノン環を有するキラル補助基の効率的除去法の開発とその応用
Project/Area Number |
12650838
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
鹿又 宣弘 明治大学, 理工学部, 助教授 (40221890)
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Keywords | キラル補助基 / 効率的除去法 / N-アシルオキサゾリジノン / ナトリウムメトキシド / エステル合成 / ヒドロキシエチルアミド |
Research Abstract |
オキサゾリジノン環は,不斉合成のキラル補助基として有機合成上重要な複素環化合物である。この補助基の簡便な除去試薬であるメトキシドアニオンを用いたエステルへの変換反応では,その選択性が基質の置換基に依存し,開環生成物であるヒドロキシエチルアミドが副生することが多かった。我々は,これらの反応の平衡系をエステルへ移動させることが選択性の向上において重要であると考え,本年度は炭酸ジメチル存在下におけるメトキシドアニオンとの反応について検討した。 基質として置換基がアルキル(1級および2級),アルケニル,およびアリールを導入した様々なN-アシルオキサゾリジノンを用い,過剰の炭酸ジメチル存在下,室温にてナトリウムメトキシドとの反応を行った。その結果,いずれの基質も極めて選択的に反応が進行し,目的とするメチルエステルとオキサゾリジノンを高収率で与えることを見出した。また,炭酸ジメチルのない条件で参照実験を行った場合は,ヒドロキシエチルアミドがかなり生成する場合が多く見られ,炭酸ジメチルの添加効果が顕著に現れていることが確認できた。これらの反応は反応系内に炭酸ジメチルを加えることで,副生するヒドロキシエチルアミドから反応物であるN-アシルオキサゾリジノンへの再環化が促進し,結果的にメチルエステルへの変換が選択的に進行したものと合理的に説明できる。これらの結果は,選択的開裂の難しいN-アシルオキサゾリジノンからの効率的なキラル補助基の除去法として有機合成上有用であるものと思われる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鹿又宣弘: "A Compact Chemical Miniature of a Holoenzyme. Coenzyme NADH Linked Dehydrogenase. Design and Synthesis of Bridged NADH Models and Their Highly Enantioselective Reduction"Journal of the American Chemical Society. 112巻19号. 4563-4568 (2000)
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[Publications] 鹿又宣弘: "Stereocontrol of Molecular Jump-rope : Crystallization-induced Asymmetric Transformation of Planarchiral Cyclophanes"Tetrahedron Letters. 42巻6号. 1045-1048 (2001)