2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650852
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
村井 利昭 岐阜大学, 工学部, 助教授 (70166239)
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Keywords | セレノアミド / リチウムエンセレノラート / マイケル付加反応 / α-シリルセレノアミド / α、β-不飽和セレノアミド |
Research Abstract |
高効率でかつ高選択的な合成反応の開発は合成化学に於ける重要な課題の一つである。さらに合成プロセスの高速化、出発物質から生成物に至る過程の短縮化も、達成されなければならない課題である。これまで種々の炭素を含む二重結合を有する化合物を機軸とした骨格変換反応が知られている。ここでもし、炭素と弱い二重結合を有する化合物を設計し自在に変換できれば、これまでにない温和な条件下短時間での合成反応の実現が期待される。本研究では、周期律表第四周期に属するセレン原子と炭素との二重結合(セレノカルボニル基)の高い反応性を利用した合成反応の開発を検討した。 その結果、セレノカルボニル基にアミノ基の結合したいわゆるセレノアミドを用いた次に示す新反応を見出し、その適用限界を明らかにした。 ・セレノアミドから発生させたエノラートのセレン同族体であるエンセレノラートはα、β-不飽和エステルやケトンに対して高選択的マイケル付加反応を引き起こすこと。また、反応は数分で完了し、特にβ位に二つの置換基を有する場合でも対応する化合物を与える点は、通常のアミドとは異なっていること。 ・エンセレノラートのアルデヒドへの付加反応も良好に進行し、セレノアミドの窒素上にベンジル基を導入することで高い立体選択性が発現すること。 ・α-シリルセレノアミドを用いたアルデヒドとの反応は、α、β-不飽和セレノアミドを高収率で、且つトランス体の生成物のみを与えること。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Murai,T.: "Michael addition of selenoamides to α, β-unsaturated carbonyl compounds : stereocontrolled synthesis of δ-oxo selenoamides and their reactivity"Organic Letters. Vol.2,No.3. 311-313 (2000)
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[Publications] Murai,T.: "Highly efficient generation of ammonium eneselenolates, their reactions and electronic properties"Chemistry Letters. No.4. 368-369 (2000)
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[Publications] Murai,T.: "Reactions of selenothioic acid S-esters with trivalent phosphorus compounds : new synthetic methods for α-phosphoryl, α-phosphinyl alkylsulphides and alkylselenides"J.C.S.Perkin Trans.1. No.6. 917-924 (2000)
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[Publications] Murai,T.: "The first example of ammonium selenothioates : isolation and characterization"J.Am.Chem.Soc.. Vol.122,No.40. 9850-9851 (2000)