2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650870
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
山元 公寿 慶應義塾大学, 理工学部, 助教授 (80220458)
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Keywords | 高分子錯体 / 酸化重合 / 電子過程 / ポリアニリン / 酸素 |
Research Abstract |
コバルト複核ポルフィリンπ共役高分子錯体の多電子過程の解明 カルボキシ置換基を導入して、安定な酸性ドメインを形成し、中性に近い条件下でも安定で可逆な酸化還元電位応答を示すポリアニリン誘導体を合成した。3-aminophthalic acidを酸化重合することによりpoly(2,3-dicarboxyaniline)(PCAn)を得た。PCAnはIR,XPSによりEmeraldine構造を持ち、自己ドーピング率が20%であることを明らかにした。PCAnはポリアニリンと同様の2段の可逆で安定なredox応答性を持ち、自己ドーピングにより中性雰囲気下においてもそのredox応答性を保持した。 単核およびイオン対で複核構造を有する多核のコバルトポルフィリン錯体を高密度(1.77×10-8mol/cm2)でPCAnに集積した高分子錯体修飾電極を用い、酸素4電子還元による水生成反応を、酸性水溶液中(pH=0.3)において高選択性で進行させることを、CV,RDV,RRDV等の電気化学的手法を用いて明らかにした。PCAn-コバルトポルフィリン高分子錯体は、多数のカルボキシル基を持つPCAnが酸性のドメインを形成するため、中性水溶液中(pH=6.9)においても酸素4電子還元能力が保持されるという特徴を持つ。 PCAn中で高密度の単核Coポルフィリンは集積して複核構造をとり、酸素還元がμ-dioxo型中間体を経由する結果、4電子還元が進行したものと考えられる。集積構造への一段階4電子移動が酸素4電子還元の重要要件であることに基づき、π共役高分子の多電子過程に連動させた新しい多電子循環系を担うCoポルフィリン集積構造を構築、酸素分子の接触により4電子還元の進行により水生成を可能とした。
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Research Products
(1 results)