2000 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス資源の高度有効利用:直鎖多糖の分枝化による機能性多糖の創製
Project/Area Number |
12650872
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下條 学 東洋水産(株), 研究開発本部, 研究員
原田 学 成蹊大学, 工学部, 嘱託助手
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Keywords | キチン / 化学修飾 / 枝分かれ多糖 / 機能性多糖 / シリル化 / グリコシル化 / 抗菌性 / セルロース |
Research Abstract |
最後のバイオマス資源といわれるキチンはアミノ多糖であるため,多くの分野での有効利用が期待されている。われわれは,特異な生物活性を示す機能性素材としてキチンに着目し,アミノ糖をベースとした非天然型の枝分かれ多糖を合成するとともに,その特性を解明することを目的として研究を進めている。 まず,N-フタロイル化キトサンを用いて多段階の位置選択的な修飾反応を行い,分岐型キチンおよびキトサンを調製する方法を確立した。得られた分岐アミノ多糖は中性の水に溶解し,分岐型キトサンは特に高い抗菌活性を発現した。 キチンの有機溶媒に対する親和性を高めるとともに,反応前駆体として評価するために,α-およびβ-キチンのトリメチルシリル化を行った。反応を詳細に調べたところ,いずれのキチンを用いても完全置換が達成された。シリル化キチンは有機溶媒に可溶であり,化学修飾の反応前駆体として高い可能性をもつことを確かめた。反応の一例として,グルコサミン誘導体を用いてグリコシル化反応を行ったところ,アミノ糖側鎖の導入に成功した。さらに,一段階の脱保護により,容易に分岐型キチン,キトサンへと変換できることを見いだした。この合成経路はN-フタロイル化キトサンを用いる経路よりもずっと短く,簡便であるため,実用化に向けた検討を進めている。 また,側鎖のみにアミノ糖をもつ分枝型アミノ多糖を合成するため,セルロースおよびカードランを主鎖として選び,位置選択的ににグルコサミン側鎖を導入する研究も開始した。まず6位の水酸基をトリチル基で保護したのち,他の水酸基をフェニルカルバモイル化し,最終的に脱トリチル化して2種類のアクセプターを調製した。現在,グリコシル化反応を検討中であるが,この手法によって側鎖の導入が可能であることをすでに確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Kurita: "Controlled Functionalization of the Polysaccharide Chitin"Prog.Polym.Sci.. (in press).
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[Publications] K.Kurita: "Polymeric Asymmetric Reducing Agents : Preparation and Reducing Performance of Chitosan/NADH conjugates....."Carbohydr.Polym.. (in press).