2001 Fiscal Year Annual Research Report
ABA3元ブロック共重合体の結晶化挙動と最終高次構造に関する研究
Project/Area Number |
12650879
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野島 修一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (20156194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷本 智史 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (50303350)
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Keywords | ABA3元ブロック共重合体 / AB2元ブロック共重合体 / ミクロ相分離構造 / 結晶化 / 高次構造形成 / 最終高次構造 / X線小角散乱 / シンクロトロン放射 |
Research Abstract |
ABA3元ブロック共重合体(ε-カプロラクトンーブタジエンーε-カプロラクトン3元ブロック共重合体(PCL-b-PB-b-PCL))の合成方法の模索と平行して、すでに合成方法が確立しているAB2元ブロック共重合体の結晶化挙動と最終高次構造を詳細に検討した。この知見は、3元ブロック共重合体の結晶化挙動と最終高次構造を解明する上で重要な知見を与える。用いたモデル高分子は、ε-カプロラクトンーブタジエン2元ブロック共重合体(PCL-b-PB)であり、様々な分子特性を持つサンプルを真空下でアニオン重合法により合成した。また、結晶化挙動と最終高次構造は、透過型電子顕微鏡、X線小角散乱法(SAXS)、シンクロトロン放射を用いた時分割SAXS法(SR-SAXS)、および、示差走査熱量計により評価した。 PCL-b-PBの分子特性および各種結晶化条件の相違(結晶化温度や結晶化の方法)はその結晶化挙動と最終高次構造に重要な影響を与えることが分かった。特に、ブロック共重合体自身の作るミクロ相分離構造のタイプと安定性が引き続く結晶化に決定的な影響を与える。これらの重要な知見は4編の原著論文として発表、または、印刷中である。 以上の知見を基にABA3元ブロック共重合体の結晶化挙動と最終高次構造を詳細に調べた。その結果、前もって存在するミクロ相分離構造のみならず、ミクロ相分離構造中の分子のコンフォメーション(タイ分子やループ分子)も引き続く結晶化挙動に影響を与え、異なる最終高次構造を導くことが示された。すなわち、3元ブロック共重合体の結晶化による高次構造形成は、2元ブロック共重合体のそれよりも複雑であり、より多彩な高次構造形成が起こり得る。これらの結果を報告すべく、現在論文を準備中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A.Rohadi, R.Endo, S.Tanimoto, S.Sasaki, S.Nojima: "Effects of Molecular Weight and Crystallization Temperature on the Morphology Formation in Asymmetric Diblock Copolymers"Polymer Journal. 32(7). 602-609 (2000)
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[Publications] A.Rohadi, S.Tanimoto, S. Sasaki, S.Nojima: "Morphological Difference between Solution-Cast and Melt-Quenched Crystalline-Amorphous Diblock Copolymers"Polymer Journal. 32(10). 859-865 (2000)
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[Publications] S.Nojima, M.Toei, S.Hara, S.Tanimoto, S.Sasaki: "Size Dependence of Crystallization within Spherical Microdomain Structure"Polymer. (印刷中).
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[Publications] S.Tanimoto, K.Ito, S.Sasaki, H.Takenaka, S.Nojima: "Crystallization Process in Binary Blends of Poly(ε-caprolactone)-block-polybutadiene Copolymers"Polymer Journal. (印刷中).
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[Publications] 野島修一(分担): "ポリマーABCハンドブック アロイ化による構造制御"エヌ・ティ・エス. 10 (2001)