2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650890
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Research Institution | Tokyo Institute of Polytechnics |
Principal Investigator |
松本 利彦 東京工芸大学, 工学部, 教授 (50181780)
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Keywords | ポリイミド / 非芳香族 / 多脂環構造 / 脂肪族 / 脂環式 / 無色透明 / 屈折率 / 低誘電率 |
Research Abstract |
Maxwellの方程式n=ε^2は低屈折率材料が電気的には低誘電率材料と等価であることを示している。高分子の単位構造中に含まれる芳香環の数を減少させれば、屈折率を小さくすることが可能だ。しかしながら、芳香環の排除は耐熱性の低減に繋がる。本研究では、ポリイミドに非芳香族多脂環構造を導入することによって耐熱性を保持しながら低屈折率化(低誘電率化)の実現を目指す。平成14年度の研究成果を以下に要約した。 1 我々が1985年(昭和60年)に開発した非芳香族多脂環構造ポリイミド原料であるビシクロ[2.2.1]ヘプタン-2exo,3exo,5exo,6exo-テトラカルボン酸二無水物の合成法を見直して工業生産可能なレベルまで収率を向上させた。 2 ノルボルナジエンを出発原料にして新規多脂環構造ジアミンの一つである2,5(6)-ジアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタンの合成を、オキシム還元を含む経路で試みたが、最終目的物の単離精製に成功していない。 3 難溶性の塩を溶解する、フィルム形成能を持つポリイミドが得られるという理由でこれまで非芳香族多脂環構造ポリイミド合成では専らヘキサメチルホスホルトリアミド(HMPA)を重合溶媒に用いてきた。しかし、HMPAは発ガン性があり、それに替わる溶媒探索が必要であったが、今回、テトラメチル尿素が代替可能なことを見出した。 4 市販のモノマーを使用して数種類の非芳香族多脂環構造ポリイミドを合成した。具体的には酸二無水物としてシクロペンタンテトラカルボン酸二無水物とブタンテトラカルボン酸二無水物を、そして4,4'-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)を含む三種類の脂環構造ジアミンの組み合わせである。そのうちのいくつかは優れた耐熱性を持つ無色透明なフィルムを与えた。 5 一昨年度、科研費補助金で購入した熱分析システムを用いて上記ポリイミドの熱的性質を評価した。ガラス転移温度は200-250℃、5%重量減少温度420-430℃であった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Matsumoto: "Aliphatic polyimides derived from polyalicyclic monomers"High Performance Polymers. 13. S85-S92 (2001)
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[Publications] T.Matsumoto, K.Shinohara, T.Mizukami: "Polyimides synthesis from AX-type monomers by reduction self-polycondensation"J. Photopolym. Sci. & Technol.. 14. 41-44 (2001)
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[Publications] T.Matsumoto: "Synthesis of fully aliphatic polyimides from 2,5(6)-bis(aminomethyl)bicyclo[2.2.1]heptane"J. Photopolym. Sci. & Technol.. 14. 695-700 (2001)
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[Publications] T.Matsumoto: "Colorless full-aliphatic polyimides with low dielectric constant"J. Photopolym. Sci. & Technol.. 14. 725-730 (2001)
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[Publications] 松本利彦他(分担執筆): "最新ポリイミド-基礎と応用-"(株)エヌ・ティー・エス. 601 (2002)
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[Publications] T.Matsumoto(partly): "Advanced in low-k dielectrics and thermally stable polymers for microelectronics"Society of Plastics Engineers Mid Hudson Section. 404 (2002)
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[Publications] T.Matsumoto(Editor): "Recent progress in polycondensation 2002"Research Signpost. 263 (2003)