2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650893
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
新井 紀夫 東京農工大学, 工学部, 教授 (20126288)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平木 講儒 宇宙科学研究所, システム研究系, 助手
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Keywords | パラシュート / 超音速 / 衝撃波 / 静・動安定 / 波状性 |
Research Abstract |
高速飛行体の惑星大気圏突入時には様々な方法を用いて減速する必要がある.最も有効な空力的減速法の一つに,パラシュートがあり,軽量且つ収納スペースが小さくて済み,確実で大きな抗力が得られる点で多く使用されてきている.このようなパラシュートは超音速で開傘することが要求されているが,それ自身の持つ柔軟性,複数の衝撃波の存在等,非常に複雑な現象であり解析はかなり困難である. 前年度までに,パラシュートを凹状の変形しない物体と近似したときの流体力学的特性を検討した結果,傘体内側からの流体の"あふれ"と衝撃波の干渉の重要性およびその運動特性の特徴,特に振動現象の重要性を指摘した.また,それに絡み"仮想質量"の流れに対する影響の重要性,物体振動と物体後流との非線型干渉の重要性を指摘し,今年度さらにそれを詳細に調べた. 一方,その流体力学的干渉問題に注目し,物体の振動問題に特化した解析も行った.パラシュートが振り子のように,ある点を中心にして非定常振動する際の流れ場の発達過程を数値シミュレーションにより詳細に調べ,開傘後,振動運動するパラシュートの特性を明らかにした. 1.物体後背部から剥がれる流れは周期的な回転運動を呈し,その周期とパラシュート内部の圧力変動の周期とが一致する. 2.パラシュートの振り子運動としての振動の振幅はある一定の範囲に留まり,発散傾向を呈さない. 3.振動振幅が大きくなったとき,その衝撃波形状は一部"折れた"形状となる.これは流れの局所的"溢れ"によるものと思われる. これら結果はパラシュート設計の際の重要な指針となり得るものであり,今後さらに物体の"柔軟性"を考慮した解析と練成させることにより,より詳細な且つ厳密な有用なデータを供し得るものである.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Arai, N.: "Flow-Induced Vibrations of Two Circular Cylinders arranged in Tandem"ALAA Paper. 1127. 1-9 (2003)
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[Publications] Arai, N., O-yabu, K.: "Unsteady Flow Field around a Freely Oscillating Concave Body in Supersonic Flow"AIAA Paper. 2148. 1-8 (2003)