2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650897
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
宮崎 康行 日本大学, 理工学部, 講師 (30256812)
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Keywords | インフレータブル / ダイナミクス / 展開構造物 / 柔軟宇宙構造物 / 構造-流体連成問題 |
Research Abstract |
次世代の宇宙構造物として期待されているインフレータブル構造物の展開ダイナミクスの数値解析手法を提案し、それに基づく数値解析コードを開発した。従来、自動車用のエアバッグの展開解析には動的陽解法が用いられ、膜面のモデルはしわが存在するときとしないときとで異なるものを用いるという、簡易なものが用いられてきた。本研究ではエネルギ・モーメンタム法に基づく陰解法を採用し、膜面のモデルには可変剛性モデルを採用した。また、インフレーションガスについては、自動車用のエアバッグとは異なり、インフレータブル宇宙構造物の場合にはガスの流速が小さいことを考慮し、ガスのダイナミクスの効果を省略した熱力学モデルを導いた。これにより、特殊な場合わけを必要とせず、数値的に安定で、かつ、エネルギ収支を的確に評価できる数値解析手法を定式化できた。そして、提案した数値解析手法の妥当性を確認するため、微小重力実験により得たインフレータブルチューブの展開実験結果との比較を行った。この結果、本研究で提案した方法がインフレータブルチューブのダイナミクスを的確に模擬できることを確認した。本研究の成果は、宇宙構造物に限らず、インフレーションガスのダイナミクスの効果(動圧)が無視できるような構造物の全てに適用することができる。そして、膜面の動的なしわの発生・消滅を考慮できるという点と弾性体の幾何学的大変形と流体との達成解析を陰解法により安定に解くことができる点で非常に汎用性の高いものであり、今後、宇宙構造物に限らず、パラフォイルやエアビーム等の動解析への応用が期待できる。また、宇宙構造物に限って言えば、無重力下という、膜面が動的に不安定になりやすい環境でのダイナミクスを的確に模擬できる点に最大の特徴がある。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuyuki Miyazaki: "Nihon University CubeSat Program"15^<th> Annual AIAA/USS Conference on Small Satellites. 1. 8b-2 (2001)
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[Publications] Yasuyuki Miyazaki: "Deployment Dynamics of Inflatable Tube"43^<rd> AIAA/ASME/ASCE/AHS/ASC Structures,Structural Dynamics,and Materials Conference. 1. 1254 (2002)