2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12650902
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Research Institution | TOTTORI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
久保 昇三 鳥取大学, 工学部, 教授 (10026106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋元 博路 鳥取大学, 工学部, 教授 (20283971)
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Keywords | 騒音 / プロペラ / ホバークラフト / 推進機 / 基礎研究 / 推力 / 円板荷重 / 組み合わせプロペラ |
Research Abstract |
災害救援輸送をはじめとして、各種作業目的の中・小型ホバークラフトが実用化する気運にある。しかし、ホバークラフトの騒音が実用化に対する障害の一つと考えられている。特に、河川・湖沼の日常的監視・管理目的に使用される艇にあっては、周辺環境が静穏環境であるため、ホバークラフトの発生する騒音がより一層強調される。また、作業員の作業環境の視点からも騒音低減が必要不可欠である。 本研究では、まず、現有の種類の異なる2艇の汎用ホバークラフトの騒音を野外において精密騒音計を用いて計測した。このため、野外計測台を試作し、コンピュータ処理を迅速化した。また、野外の水上を様々な天候気象下で走り回るホバークラフトの計測の状況をできるだけ定量的に記録するためにビデオカメラとディジタルカメラを活用した。その結果の大略は、(1)最大騒音は110dBを超える。(2)推進プロペラ音,浮上ファン音,駆動エンジン音,排気音,スカート振動音,その他騒音の複合した複雑騒音であった。(3)特に、推進プロペラ音は大きく、多くの高調波を伴い、複雑で騒音低減対策が困難である。ことが分かった。 そこで、本研究では、基礎研究の趣旨に則って、プロペラ騒音の解明に努力を集中することとした。具体的には、大形模型用プロペラ5種6枚を用い、推力と回転数を同時計測するためのプロペラ試験台を製作し、精密騒音計で騒音を計測した。こうして得られた結果の主要なものは、(1)プロペラ推力は円板面積の2乗に比例するのではなく、円板面積そのものに比例する。(2)直径の異なる2枚羽プロペラによる騒音は円板荷重に概ね比例する。(3)直径の異なる2枚の2枚羽プロペラを組み合わせた場合、直径の差が大きいほど騒音は低下する。(4)2枚のプロペラの交差角を変えても推力および騒音には著しい差違は見られない。といったものである。これらの結果は、研究の中間段階として現在論文発表の準備中である。
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