2000 Fiscal Year Annual Research Report
放射インピーダンスを用いた海底表層ヘドロ堆積層中の横波音速測定法に関する研究
Project/Area Number |
12650909
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
木村 正雄 東海大学, 海洋学部, 教授 (10119670)
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Keywords | 放射インピーダンス / 横波音速 / ヘドロ堆積層 / 濃度 / 密度 / 力 / 加速度 / 円形振動板 |
Research Abstract |
1.理論解析 ヘドロ堆積層に対する放射インピーダンスを求めるために必要なヘドロ堆積層の物理パラメータと体積弾性率および剛性率との関係を求めた。また放射インピーダンスを求めるための計算プログラムを作成した。 2.基礎実験 ヘドロ堆積層の測定に先立ち、ヘドロ堆積層モデルを用いた以下の測定を行った。まず海岸砂の上に粘土を堆積させた2層媒質の測定を行い、粘土の層の厚さと放射インピーダンス測定より求められる横波音速との関係を求めた。その結果粘土の厚さが大きくなるにつれ横波音速は小さくなり、粘土のみの横波音速に漸近していくことがわかった。次に粘土とウレタンゴム(JIS硬度30,60)、またはゼラチン(濃度20%、40%)による2層堆積層モデルを使用し、上の層である粘土の厚さと、円形振動板の半径を3mm、16mmとに変化させたときの横波音速の変化を調べた。その結果、円形振動板の半径が大きくなると横波音速は速くなることを示した。また粘土の層が薄くなると、ウレタンゴムを用いた場合横波音速は速くなり、ゼラチンを用いた場合、遅くなることを示した。すなわち、本測定法を用いることにより、横波音速深度特性の測定が可能であることを示した。また横波音速が極めて遅い媒質に対しても横波音速の測定が可能であることがわかった。以上の結果より、ヘドロ堆積層のような横波音速が極めて遅い媒質に対しても横波音速が測定できる見通しを得ることができた。 3.測定装置の開発 振動機については既製品の中から選択したが、この振動機は海水中では使用できない。そこでこの振動機に力ピックアップと加速度センサを取り付けた装置のための防水容器の設計を行い、特注品として入手した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Masao Kimura: "Shear wave velocity measurements of layered sediment models using radiation impedance"139^<th> ASA Meeting, J.Acoust.Soc.Am.. Vol.107,No.5. 2773 (2000)
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[Publications] 木村正雄,石田桂介,山本正人,福江正治: "放射インピーダンスを用いた層状媒質を用いた横波音速測定"海洋音響学会講演論文集. 61-64 (2000)