2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
根本 圭介 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 助教授 (40211461)
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Keywords | イネ / 葉 / QTL解析 |
Research Abstract |
イネの茎葉部および地下部の発育(分げつ芽や冠根の分化出現)は母茎の葉の出現と同周期的に進行する。従って、葉の出現する速度は個体全体の生育のペースメーカであり、その遺伝的制御機構を明らかにすることはイネの発育制御上、重要である。本研究では、イネの葉が出現する速度(出葉間隔:ある葉が出現してから次の葉が出現するまでの時間間隔)の制御機構を明らかにするため出葉間隔の品種間差をもたらす遺伝子の染色体マッピングを試みた。水稲品種IR36(改良インディカ稲、出葉間隔が極めて短い)とLemont(改良ジャポニカ稲、出葉間隔が極めて長い)とのF2集団200個体をポット栽培し出葉間隔を測定するとともに、DNAを採取した。ゲノム全域に約30cM間隔でRFLPマーカーを置き、出葉間隔に関する量的形質遺伝子座(QTL)をマッピングした。その結果第1、9、11染色体上に各1個、第2染色体に2個のQTLが検出できた。ただし、どのQTLも作用力はあまり大きくなく、出葉間隔はこれらの遺伝子の作用が集積することによって決まるものと見られた。なお、分げつ数のQTLを調べたところ、それらのいくつかは出葉間隔のQTLと同一領域に位置しており、出葉間隔の変異が上述の発育秩序を通して分げつ数を強く規定していることが確認された。なお、IR36とLemontのF1にIR36を反復親として戻し交配を2度行った系統を育成しているので、これらを用いてQTLのより高精度なマッピングを続行する予定である。
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