2000 Fiscal Year Annual Research Report
改良型モンテイスモデルによる広域的純一次生産力(NPP)推定手法の開発
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12660020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
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Keywords | 純一次生産力 / PAR / バイオマス / スペクトル植生指数 / 光合成 / 光量子センサ / 熱放射センサ / 放射変換効率 |
Research Abstract |
平成12年度の成果は以下のようである。 1.衛星画像(NOAA/AVHRR)の検索・収集をおこなった。 2.いくつかの大気補正の手法を検討した。とくに6Sについてはプログラムを入手し、プログラムを実行できるような計算機環境を整備した。 3.東京大学農学部の圃場においてフィールド実験を行った。成長の早いケナフを栽培し、2週間に1回程度の割合で、スペクトル反射率、PAR(光合成有効放射量)、fAPAR(光合成有効放射吸収率)、NDVI(正規化差植生指数)、バイオマスを測定した。バイオマスの増分からNPPを求め、さらにAPAR(光合成有効放射吸収量)で除すことによりRUE(放射変換効率)を求めた。 4.NDVIの測定にあたっては、米国Licor社製の光量子センサと熱放射センサを用いる方法と、フランスSolems社製のPAR/IRセンサを用いる方法を試した。Licor社製のセンサは高価であるが、波長依存性が植物葉の光吸収曲線に適合するように設計されており、またセンサひとつずつに対して補正値が与えられているなど信頼性が高く、これまでも多くの研究者によって利用されている。一方、後者は安価であるが、センサによるバラツキがあり、その利用は限定されている。ただし乾燥地のような植生の疎な地域では、ひとつの精度の高いセンサを利用するより、精度は低くても多くのセンサを同時に利用して測定した方が空間的に広い範囲をカバーすることができ、結果として得られる数値の精度が高くなると考えられる。今回は後者の製品で代用できるかを検討するために、両者の値を同時に測定して比較を行った。最終的な結論はまだ得られていないが、両者の間にほぼ線形の関係が認められた。
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