2001 Fiscal Year Annual Research Report
改良型モンテイスモデルによる広域純一次生産力(NPP)推定手法の開発
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12660020
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
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Keywords | 純一次生産力 / PAR / バイオマス / スペクトル植生指数 / 光合成 / 光量子センサ / 熱放射センサ / 放射変換効率 |
Research Abstract |
平成13年度は、昨年度に引き続き、東京大学農学部の圃場においてフィールド実験を行った。 成長の早いケナフを20cmの個体問隔で、7畝(40cm間隔)に栽培した。1週間に1回程度の割合で、スペクトル反射率、PAR(光合成有効放射量)、fAPAR(光合成有効放射吸収率)、NDVI(正規化差植生指数)、バイオマスを測定した。 実験の結果、NDVIとfAPARとの間には、fAPAR=3.01×NDVI-1.92(R^2=0.947)という線形の関係がみられた。ただし、ケナフの成長につれて、fAPARは単調に増加したが、NDVIについては、およそ0.8あたりで大きな伸びがみられなくなった。NDVIは背景土壌の影響を受けるためと推定される。 平成13年度は、新たにTDR方式の土壌水分センサを用いて、2深度(12cmと20cm)における土壌水分量を測定した。その結果、7月から8月にかけて降水のない時期には、土壌水分量が20%を下回る日がみられた。さらに気象庁から提供された気象データを用いて、CASAモデル(Potter et al. 1993)の土壌水分サブモデルを適用し、土壌水分量の推定値を求めた。この推定値を実測土壌水分量と比較すると、大きな違いがみられた。 また、バイオマスの増分からNPPを求め、さらにAPAR(光合成有効放射吸収量)で除すことによりRUE(放射変換効率)を求めた。CASAモデルでは、RUEを0.389gC/MJと設定しているが、フィールド実験から得られたRUEは0.596gCMJであった。 以上のことから、CASAモデルの改良にあたっては、土壌水分サブモデルとRUEについての改良が必要であることが示唆された。
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