2002 Fiscal Year Annual Research Report
改良型モンテイスモデルによる広域的純一次生産力(NPP)推定手法の開発
Project/Area Number |
12660020
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Research Institution | THE UNlVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
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Keywords | 純一次生産力 / PAR / バイオマス / スペクトル植生指数 / 光合成 / 光量子センサ / 熱放射センサ / 放射変換効率 |
Research Abstract |
平成14年度は、昨年度に引き続き、東京大学農学部の圃場においてフィールド実験を行った。 マメ科草本のダイズおよびイネ科草本のトウモロコシを5月に播種し、8〜9月にかけて刈り取りを行い、以下の計測・分析を行った。 ・圃場でのキャノピーのスペクトル計測、個体毎の草丈の計測、個体の刈り取り・採取(葉、茎、実、根に分別)、葉面積の計測、実験室での各部位の反射スペクトル計測、各個体・部位毎の重量計測、クロロフィルa、b、リグニンおよび窒素含有量の定量 ダイズについては、平均するとクロロフィルaは0.85mg/g、クロロフィルbは0.29mg/g、リグニンは9.95%、窒素は4.13%であった。同じくトウモロコシについては、クロロフィルaは0.55mg/g、クロロフィルbは0.20mg/g、リグニンは19.35%、窒素は228%という分析結果が得られた。現在、スペクトル特性とこれらの化学量との関係について解析を行っている。 また、広域NPP推定モデルであるCASA(Carnegie-Ames-Stanford-approach)モデルの改良と検証を行った。改良点は、水分ストレスサブモデルの中のEET(Estimated Evapotranspiration:推定蒸発散量)推定に使われる土壌水分推定モデルを、CASAモデルでの月単位の計算から日単位の計算に変更した。また蒸発効率を、吸着係数から圃場容水量の間で変化するように改良することにより、実測の土壌水分量の変動に近づけることができた。また気温ストレスサブモデルに使われる最適気温月をNDVIが最大になる平年の月に固定した。これらの改良によりNPP推定モデルを現実の値に近づけることが可能となった。
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