2001 Fiscal Year Annual Research Report
ダイズ萎縮ウイルスに対するダイズの天然抵抗性因子の同定
Project/Area Number |
12660037
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
増田 税 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (60281854)
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Keywords | 植物ウイルス / ダイズ萎縮 / 抵抗性 / SSV |
Research Abstract |
1.キュウリモザイクウイルスダイズ系統(SSV)のSSV-CとSSV-Dは、ダイズ品種Harosoyに接種すると後者のみ全身感染する。一方、品種白まめに接種すると両者とも全身感染する。この2品種をかけあわせて作ったF1植物はいずれのSSVにも全身感染しない(抵抗性)。F2の遺伝様式を解析した結果、2因子の優性補足遺伝子の存在が強く示唆された。 2.この抵抗性品種間差異を引き起こす原因となるSSVのウイルス遺伝子を同定するため、両ウイルスの間でシュードリコンビナントやキメラウイルスを作出し、感染性転写産物をダイズに接種して解析した結果、2b遺伝子と3a遺伝子の2遺伝子が共に関与することが明らかとなった。前者はウイルスの全身移行を後者は細胞間移行を支配すると考えられている。 3.さらに、Harosoyでのウイルス抵抗性の作用点を明らかにするために、まずプロトプラスト接種によって1細胞での複製能を比較した結果、両ウイルスに品種間差異が存在しないことが判明した。次に、Harosoyと白まめに対葉法によって、両ウイルスを接種し、プレスプロットでウイルスの局在を観察した結果、Harosoyの接種葉では、両ウイルスに細胞間移行の差異は認められず、SSV-Dのみ接種後4日目に全身移行が観察された。すなわち、SSV-CのHarosoyでの全身移行能阻害が作用点であることが明らかとなった。
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Research Products
(1 results)