2002 Fiscal Year Annual Research Report
関口病斑をマーカーにしたエリシターおよびサプレッサーの分子機構解明
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12660046
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| Research Institution | Shimane University |
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Principal Investigator |
荒瀬 栄 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40127478)
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| Keywords | イネいもち病 / 突然変異イネ / トリプタミン / エリシター / モノアミン酸化酵素 / 活性酸素 / 関口病斑 |
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| Research Abstract |
非親和性イネいもち病菌レースの感染によりイネ品種関口朝日に特異的に形成される関口病斑では侵入菌糸の伸展や胞子形成は非常に貧弱である。病斑中からの抗菌物質の抽出を試みた結果、インドール系化合物の一つであるトリプタミン(Try)が単離された。これは、高濃度ではいもち病菌の胞子発芽を、低濃度では付着器からの侵入菌糸形成を著しく阻害した。Tryをイネ品種関口朝日の切り葉に処理すると光依存的に関口病斑類似壊死斑(壊死斑)が誘導され、Tryの酸化酵素であるモノアミン酸化酵素(MAO)の基質となるβ-フェニルエチルアミン処理イネ葉でも光依存的に壊死斑が誘導された。しかし、TryにMAOの阻害剤やH_2O_2消去剤であるアスコルビン酸やカタラーゼを添加した場合には壊死斑は誘導されなかった。また、壊死斑はH_2O_2処理により光依存的に誘導された。このことは関口病斑形成にH_2O_2が関与していることを示した。事実、H_2O_2を組織化学的に検出する3,3'-diaminobenzidine試薬を関口病斑部に処理するとH_2O_2生成を示す濃褐色の反応が認められた。また、親和性レースを接種したイネ葉には多くのいもち病斑が形成され、Tryの蓄積およびMAO活性はほとんど認められなかったが、非親和性レース接種葉では接種後6時間からTryの蓄積が認められ、またMAO活性も親和性菌接種葉の約4倍に増加し、多くの関口病斑が形成された。いもち病菌接種葉のカタラーゼ活性を経時的に調査すると、暗黒下では接種直後に一時的に活性は低下したが、接種後の時間の経過と共に活性は徐々に回復した。一方、光照射下でも暗黒下同様に接種直後から活性は急速に低下したが、暗黒下のように活性の回復現象は観察されなかった。また、Tryによる関口病斑形成は暗黒下では阻害されるが、カタラーゼの阻害剤であるNaN_3を添加しておくと暗黒下においてもSeが形成された。このことは、光照射下ではMAOによるTry酸化後に生成されてくるH_2O_2がカタラーゼにより消去されないために関口病斑が形成されることを示した。
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Research Products
(1 results)
