2001 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞変異選抜した青枯病抵抗性トマトにおける抵抗性変異誘発機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
12660050
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 教授 (00150805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 照雄 近畿大学, 農学部, 助手 (30319660)
松田 克礼 近畿大学, 農学部, 助教授 (30268453)
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Keywords | トマト / 青枯病 / 組織培養 / レトロトランスポゾン / 変異 / 抵抗性 |
Research Abstract |
体細胞変異選抜した青枯病抵抗性トマト系統は、再分化個体をRO世代とした場合、すでに8世代の自殖後代(R8世代)を得ており、青枯病抵抗性についての固定化を完了している。そこで、本年度の研究においては、本選抜系統における抵抗性発現状況をわが国の主要トマト品種と比較・検討するため、再現性のある青枯病菌接種法について検討を行なった。その結果、接種状態の均一性を重要視した場合、本菌の接種検定には水耕栽培系が適していることが明らかとなった。そこで、本法を適用し、国内で栽培されているトマト60品種について感受性検定を行なったところ、青枯病に対する感受性に品種間において有意な差異が存在すること、また、トマトの青枯病菌に対する抵抗性機構には、病原菌の感染場面において発現する機構と感染した植物体内で細菌の増殖・移行を抑制する機構の存在が示唆された。これらの知見については、Journal of General Plant Pathology に投稿し、2001年8月に掲載された。また、植物における変異誘発因子としてレトロトランスポゾンの存在が確認されるようになった。そこで、本抵抗性系統の変異誘発機構とその遺伝様式を解明するため、抵抗性トマト系統の染色体の遺伝子ライブラリーを作製し、そこからレトロトランスポゾン遺伝子を分離してその塩基配列を決定した。また、単離したレトロトランスポゾン遺伝子をプローブとして、そのライブラリーからトランスポゾンを含むクローンを選抜し、現在、レトロトランスポゾン挿入によってタギングされた遺伝子の分離とその塩基配列からの構造解析を行っている。さらに、レトロトランスポゾンの転写・発現時期を明確にするため、トマトの葉組織および誘導されたカルス細胞からmRNAを単離し、本遺伝子に特異的なプライマーによるRT-PCRおよびノーザンハイブリダイゼーション解析を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] T.Nonomura, Y.Matsuda, Y.Ikegami, Y.Morikawa, H.Toyoda: "Induction of morphologically changed petals from mutagen-treated apical buds of rose and plant regeneration from varied petal-derived calli"Plant Biotechnology. 18. 233-236 (2001)
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[Publications] T.Nonomura, Y Matsuda, M.Tsuda, K.Uranaka, H.Toyoda: "Susceptibility of commercial tomato cultivars to bacterial wilt in hydroponic system"Journal of General Plant Pathology. 67. 224-227 (2001)
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[Publications] T.Nonomura, Y.Matsuda, M.Takasugi, T.Ohtani, T.Hasegawa, K.Miyajima, T.Hatasa, H.Toyoda: "A monitoring system for green fluorescence protein gene-transformed Fusarium oxysporum in melon seedling"Journal of General Plant Pathology. 67. 273-280 (2001)
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[Publications] T.Nonomura, Y.Matsuda, M.Bingo, M.Onishi, K.Matsuda, S.Harada, H.Toyoda: "Algicidal effect of 3-(3-indolyl) butanoic acid, a control agent of the bacterial wilt pathogen, Ralstonia solanacearum"Crop Protection. 20. 935-939 (2001)
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[Publications] Y.Matsuda, K.Kashimoto, R.Aikami, Y.Takikawa, T.Nonomura, H.Toyoda: "Occurence of new powdery mildew on greenhouse tomato cultivars"Journal of General Plant Pathology. 67. 294-298 (2001)
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[Publications] H.Toyoda, Y.Matsuda, T.Nonomura, S.Ouchi: "Plant Disease and Their Control"Chaina Agricultural Scientech Press. 171 (2001)
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[Publications] H.Toyoda, Y.Matsuda, T.Nonomura, K.Kakutani: "Chitin Enzymology"Atec Edizioni. 614 (2001)