2002 Fiscal Year Annual Research Report
体細胞変異選抜した青枯病抵抗性トマトにおける抵抗性変異誘発機構の分子生物学的解析
Project/Area Number |
12660050
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 教授 (00150805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野々村 照雄 近畿大学, 農学部, 講師 (30319660)
松田 克礼 近畿大学, 農学部, 助教授 (30268453)
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Keywords | トマト / レトロトランスポゾン / 組織培養 / うどんこ病 / 変異 / 抵抗性 |
Research Abstract |
植物における変異誘発因子としてレトロトランスポゾンに着目し、トマトにおいてその発現が組織培養過程で活性化されること、また、サリチル酸やジャスモン酸などの揮発性物質および紫外線や付傷刺激などのストレスによってその発現が誘導されることを確認した。この発現様式をさらに詳しく検討するため、トマトからレトロトランスポゾンの転写制御領域を分離し、遺伝子発現を検出するレポーター遺伝子(GFP)の上流に連結した。現在、このベクターをAgrobacterium tumefaciensおよびA. rhizogenesに導入し、トマトヘの形質転換を行っている。一方、近年トマト栽培においてうどんこ病の発生が認められ、その被害が拡大していることから本菌に対する農薬の使用頻度が高くなり、その過剰使用伴って薬剤耐性菌の出現が危倶される。しかしながら、本病原菌に対する有効な抵抗性因子は明確にされておらず、抵抗性品種の育成が急務となっている。そこで、本菌の発生状況および感染過程を調査し、その挙動を明らかにすることにより、適当な抵抗性品種の作出を試みることとした。トマトうどんこ病菌はその分類学上の位置付けについても不明瞭であることから、まず本菌の感染挙動を明らかにし、その生理学的特性およびITS領域の解析からOidium neolycopersiciであると同定した。その結果については平成14年度にJournal of General Plant Pathologyに投稿した。また、本菌に対する抵抗性因子を野生種のトマトから選抜するとともに、本申請課題の目的である組織培養系を利用した体細胞変異選抜を実施している。現在、細胞培養を経由したトマト再分化個体から自殖種子を採取しており、平成15年度の研究課題として病害抵抗性変異個体の選抜とその育成を試みている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Kashimoto, Y.Matsuda, K.Matsutani, T.Sameshima, K.Kakutani, T.Nonomura, K.Okada, S.Kusakari, K.Nakata, H.Toyoda: "Morphological and molecular characterization for a Japanese isolate of tomato powdery mildew Odium neolycopersici and its host range"Journal of General Plant Pathology. 69・(2). (2003)
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[Publications] 角谷晃司, 池田千亜紀, 野々村照雄, 松田克礼, 豊田秀吉: "トマト葉原基への変異誘起剤処理条件ならびに変異葉からの個体再生条件の解析"生物環境調節. 40・(1). 99-105 (2002)
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[Publications] Y.Matsuda, K.Kashimoto, Y.Takikawa, R.Aikami, T.Nonomura, H.Toyoda: "Occurrence of new powdery mildew on greenhouse tomato cultivars"Journal of General Plant Pathology. 67・(4). 294-298 (2001)
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[Publications] T.Nonomura, Y.Ikegami, Y.Morikawa, Y Matsuda, H.Toyoda: "Induction of morphologically changed petals from mutagen-treated apical buds of rose and plant regeneration from varied petal-derived calli"Plant Biotechnology. 18・(3). 233-236 (2001)
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[Publications] T.Nonomura, Y.Matsuda, M.Tsuda, K.Uranaka, H.Toyoda: "Susceptibility of commercial tomato cultivars to bacterial wilt in hydroponic system"Journal of General Plant Pathology. 67・(3). 224-227 (2001)
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[Publications] H.Toyoda, Y.matsuda, T.Nonomura, Y.Takikawa, Y.Otsu, H.Mori, K.Kakutani: "Chitin Enzymology"Atec Edizioni. 614 (2001)