2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12660060
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
河野 憲治 広島大学, 生物生産学部, 助教授 (50034476)
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Keywords | 土壌微生物バイオマス / 植物根域 / 光合成産物 / 窒素 / 安定同位体 |
Research Abstract |
植物根域におけるバイオマス形成に及ぼす植物の役割やバイオマスからの植物への養分移動に関する実証的なデータは著しく乏しい。本年度は植物根から放出される光合成産物がどの程度バイオマス形成に利用されるか,またバイオマス中のNが植物にどの程度利用されるかを検討した。 1.植物根から放出される光合成産物の微生物バイオマスによる利用 光合成産物が植物根から放出される量・割合をの算定するため、シコクビエ,大豆,シロクローバを供試し^<14>Cを同化処理後、植物根からの光合成産物(除CO2)-^<14>Cを経時的に測定した結果、植物根から放出された^<14>Cの、全取り込み^<14>Cに対する割合は各々0.4,0.2,0.1%になり、圃場条件における植物根から放出される炭素量は、シコクビエ、シロクローバーで1700、1850μgC/g soilと推定され、バイオマス炭素の形成、維持に十分な量であると推定された。(日本土壌肥料学会講演要旨集,46,32,2000)また別途光合成産物の微生物バイオマスによる利用を^<13>Cを同化させた植物を土耕ポットに移植し、経時的に微生物バイオマス量や^<13>Cなどを測定した結果、バイオマスCの形成量が充分でなく定量に至らなかった。 2.微生物バイオマスNの植物による利用 土壌にグルコースとともに、(^<15>NH_4)_2SO_4を40,80μg N/g soil加えた土壌を培養し、バイオマス体内に添加^<15>Nを取り込ませた。この土壌にあらかじめペーパーポットで栽培したエンバクを移植し、バイオマス窒素量、植物の^<15>N吸収量などを測定した結果、エンバクが吸収した600μg Nのうち少なくとも400μg Nはバイオマス窒素に由来するものと判断され、植物がバイオマス中の窒素を利用しうることが^<15>Nの利用により実証された。
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Research Products
(1 results)