2001 Fiscal Year Annual Research Report
マウス及びヒト蛋白質アルギニン脱イミノ酵素遺伝子の転写制御因子の解明と機能解析
Project/Area Number |
12660064
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Research Institution | IBARAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高原 英成 茨城大学, 農学部, 教授 (30122063)
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Keywords | Peptidylarginine / deimunase / gene structure / gene regulation / mouse / reporter assay / promoter / silencer |
Research Abstract |
ペプチジルアルギニンデイミナーゼ[Peptidylarginine deiminase](以下PADと略記)は、蛋白質のArg残基を脱イミノ反応によりCit残基に変換する蛋白質修飾酵素である。PADは脊椎動物全般に存在し、4つのアイソフォーム(type I〜IV)がそれぞれ特徴的な基質特異性と組織分布を有して各種の組織で機能していることが我々のこれまでの研究により明らかとなっている。また、最近いくつかの自己免疫疾患がPAD遺伝子の異常発現によってもたらされているのではないかとの報告もある。本研究は、PAD遺伝子の発現制御機構を分子生物学的手法を用いて解明し、将来PAD遺伝子の発現制御異常の原因を解明すると共に同遺伝子の異常発現の迅速な検知と治療法の開発をめざして立案したものである。昨年度の研究により、我々はマウスPAD遺伝子の全てのアイソフォームの遺伝子構造とそれぞれの遺伝子のプロモーター領域の塩基配列を解明した。本年度はこれらの遺伝子のうち、脳神経繊維において多発性硬化症をもたらすと推測されているPAD type II遺伝子の詳しい遺伝発現調節領域の解析を行った。同遺伝子発現制御機構を解明するためには、同遺伝子を顕著に発現している培養細胞を見つける必要があるが、検討したマウス株化培養細胞の内、F9とC6細胞がPAD type IIを発現していることを見出した。ついで、同遺伝子のプロモータ領域の段階的欠失遺伝子にルシフェラーゼレポーター遺伝子を連結させ、上記の培養細胞とネガテブコントロール細胞としてNIH, B-1, C2C12を用い、それぞれの細胞を形質変換させてそのレポーター活性を測定した。その結果、typeII遺伝子は転写開始領域から5^1上流1171bpの間に強い発現促進領域があり、-1171〜-1692の間に発現抑制領域があることを発見した。さらにこの発現促進領域中には各種の転写因子結合モチーフが存在していることがわかった。これらの研究成果を昨年度のそれとあわせ早急に論文にまとめる予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazumi Funane ら: "Water-soluble and water-insoluble glucans produced by Escherichia coli recombinant dextranare from・・・"Carbohydrate Research. 334. 19-25 (2001)
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[Publications] Tetsuya Kohsaka ら: "The presence of specitic binding sites on boar spermatozoa for porcine relaxim and its action・・・"Joumal of Reproduction and Development. 47.No.4. 197-204 (2001)